好きな人の元カノが最悪だったので一泡吹かせてやろうと思う【松野千冬】

一泡吹かせる11回戦 ページ12

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私だって並みの悪女ならここまでしようとか思わない。


千冬がいいんなら別に何とも思わない。


でも、松井有栖は違う。


…なんかカッコいい感じで前置きしちゃったけど、今疑問があるんですよ。


なんで有栖ちゃんと二人きりなの？？





遡る事十五分ほど前。


私は今日ツイていないことに日直で提出物を運ぶために職員室に来た。


そこで提出したら帰ろうと思ったのに、プリントを先生の机に置いといてくれ！と先生から頼まれた。


わざわざそのまま帰れるように持ってきたカバンもただのお荷物になってしまった。


あと半分刷ってるから少し待っててと言われ、今職員室の前で立っている。


そう、察しのいい方は分かるでしょ？


お説教を受ける予定の有栖ちゃんがそこにいるわけだ。






「…」






すっごい睨んでくるけど、いい加減分かってよ。


さらにブサイクになるって言ったよね？(言ってはない)


まぁ、先生方がいらっしゃるから変なことはしなさそうですけど。





「…Aちゃんって、千冬くんのこと好きなのぉ？」





…こういう女って謎に鋭いことあるよね。


しかも私にだけ聞こえるようにめっちゃ小声で話しかけてくるところが余計に嫌。


あれ、私初めて名前呼ばれたことない？？呼ばれたっけ？どうでもいいや。





『…そう見えるかな？』ニコッ





コイツに悟られるのは良い悪いは置いといてなんか癪に障る。


私は返事を濁した。





「でも残念♡有栖には敵わないよ？諦めたほうがいいんじゃない？」





おー、勝手に話し進めてくるタイプの方だ？


つーか、フラれたヤツに言われたくねぇんだけど。


諦めるのはお前だし、自分の発言特大ブーメランになってて森。


自分の事自分で可愛いとかいうやつにはなりたくないけどさ、お前よりは可愛いわ！！！





『…あ、先生。
　プリントもらえたからもう行くね。』





先生タイミングナイス！


有栖ちゃんが逃げるの？とでもいいだけな表情をこちらに向け、意味ありげに笑う。


相変わらず千冬に自分が選ばれるとか思ってるのイタイなぁ。


…やられっぱなしも嫌だし、これぐらいはしておこ。




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『…お説教頑張ってね？私は千冬と帰るから。』ニコッ







有栖ちゃんの顔が歪むのが少しスッキリした。


もうちょっと眺めていても良かったけど、先生の邪魔になる。


何より待っている千冬を待たせたくなかったので、私は歩くスピードを速めた。

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