EpisodeXLI ページ41
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風「っ、…ひば」
体のあちこちに包帯が巻かれてて、口には呼吸器がつけられた雲雀くんを見て言葉を失う。お兄ちゃんは雲雀くんの名前を呼んで、苦しそうに顔を歪めた。さっきまであんなに元気だったのに。さっきまで普通に話してたのに。
なんで、こんなことに…
セ「っ、凪ちゃん!医者はなんて…」
四「…タライ、もう目を覚まさないかもしれない」
風「うそ、だろ?」
私もお兄ちゃんもとても話を聞ける状態じゃなくて、それは多分凪くんも一緒だったけど凪くんがお医者さんにお話を聞いてきてくれた。戻ってそれを聞いた時、頭を何かで殴られた気がした。手術は終わったはずなのに。凪くんの目にも光はなくて、嘘だと思いたいのに本当だと思い知る。
四「…頭を強くうったらしくて、目が覚めてもいつになるかわからないって…」
風「…んだよそれ!起きろよひば…!!!」
セ「奏斗!やめなって!!」
お兄ちゃんが雲雀くんの肩を揺らすのをセラくんが止める。こんなに取り乱しているお兄ちゃんを見るのも初めてでどうしていいか分からない。信じられなくてショック過ぎて涙も出ない。ただその場に突っ立っていることしかできなかった。
そんな私にお兄ちゃんが気付く。
風「…Aはもう帰りな?疲れてるでしょ…?」
『……帰らない。ずっと雲雀くんの傍にいる』
そっと雲雀くんの手に触れる。今日たくさんつないだ手はやっぱり温かかった。お兄ちゃんが私を心配してくれてるのは分かったけど帰りたくない。そばを離れたくない。学校なんてどうでもいい。ずっと雲雀くんの傍にいたい。お兄ちゃんはまた少し泣きそうな顔になった。
四「…Aは自分の身体も大事にしてください。起きた時にAが元気じゃないとタライも悲しむから」
『…………うん』
こんな時にも凪くんは冷静で、いや冷静でいるように努めてて、優しくそう言われる。まだ私は子供だから、色んな大事な話に入れてもらえないのは分かってるし、みんなに迷惑かけたくない。凪くんに言われたことはその通りだと思って頷いた。
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ちょこれーと(プロフ) - すと@STo_dreamさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです…(´;ω;‘)更新頑張ります!! (2月19日 11時) (レス) id: 3d98585397 (このIDを非表示/違反報告)
すと@STo_dream(プロフ) - 新作!!待ってました!!もう既に神小説の予感しかしません…。ちょこれーと様ありがとうございます!次の更新が待ち遠しいです(笑) (2月18日 20時) (レス) @page4 id: 47475b39fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょこれーと | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/64be1a2e2a1/
作成日時:2024年2月18日 15時