EpisodeXXXV ページ35
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奏斗に言われた通り、約束の時間より大分早く着いた。完全に浮かれてる。今日のために服買い直したし、髪のセットも倍の時間をかけた。Aちゃん待つ時間とか楽しい以外の何物でもないからいいんだけど。それにちょっと落ち着いたりする時間にもなるし。
そう思っていたのに、Aちゃんも時間より早く来て。確かにAちゃんは時間とかちゃんとするタイプだから、やっぱり早く来て正解だったなぁと思った。
『雲雀くん!』
「あっ、Aちゃ……」
元気よく名前を呼ばれて顔をあげる。俺の名前を呼んで駆け寄ってくるAちゃんを見て、言葉が止まった。
『雲雀くん、待った?』
「いや、全然…」
ほとんどいつも結ばれている髪が下ろされててふんわり巻いてあって。ただ俺の顔を見ただけなのに、凄く幸せそうに笑うから普段みたいに話せないでいると、俺の目があるものに止まる。
「あ、それ…俺があげたネックレス?」
『うん!つけてきちゃった!似合う!?』
「…うん、めちゃかわいい」
メイクも服も髪型もいつもより大人っぽくて可愛いのに、俺が可愛いと言えば急に子供みたいに無邪気に笑う。かわいい、なんてAちゃんにはよく言うはずなのに今日はなんか顔が熱くなった。年上だしかっこよくリードとかしたいのに調子狂う。
「あー…じゃ、行くか!」
『うん!』
幸いAちゃんには俺の顔が赤いのはバレてなくて、誤魔化すためにそう声をかける。そうして歩き始めてすぐに、ぎゅっとAちゃんから手を握られる。手繋ぐのもやっと慣れて来たと思ったのに、本当Aちゃんには敵わない。
「…っ、はは、いーよ。つなご」
『…うん』
これ無意識にやってんのかなぁ。内心余裕なんて無いことがバレないように、恋人つなぎにしてみるけど逆効果だった。かわいい、本当にかわいすぎてどうしようってくらい。そう思うのは当然俺だけじゃなくて、さっきからAちゃんを振り返る人がたくさんいる。
…俺のだからな。そんなことを思ってAちゃんの手を握る手の力を少し強めた。
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ちょこれーと(プロフ) - すと@STo_dreamさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです…(´;ω;‘)更新頑張ります!! (2月19日 11時) (レス) id: 3d98585397 (このIDを非表示/違反報告)
すと@STo_dream(プロフ) - 新作!!待ってました!!もう既に神小説の予感しかしません…。ちょこれーと様ありがとうございます!次の更新が待ち遠しいです(笑) (2月18日 20時) (レス) @page4 id: 47475b39fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょこれーと | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/64be1a2e2a1/
作成日時:2024年2月18日 15時