EpisodeXXIX ページ29
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「何か…2人きりってあんまないから、嬉しい」
『確かに、そうだね笑』
「あいつら、すーぐ揶揄ってくるし」
今日は雲雀くんが私の部屋に来てる。特に何かするわけでもなく、一緒にご飯を作って一緒に食べて、話したりゲームしたりしてるだけ。普段のカフェはお兄ちゃんたちもいるから、雲雀くんの言う通り2人きりなのは新鮮かもしれない。
「ね、こっちきてAちゃん」
『…う、うん』
雲雀くんがとびきり甘い声でそう言うから頷くしかない。言われた通り雲雀くんの方によると、手を重ねられて肩に頭が乗っかって来た。私はどうしていいか分からずに硬直したまま。雲雀くんは急に甘えてくるから心臓に悪い。
「何か今、俺すげー幸せだわ、笑」
少し視線を落とすと、雲雀くんと目が合った。綺麗な金色の目が眩しい。雲雀くんはにぱっと笑う。雲雀くんが本当に嬉しそうにするから、恥ずかしくなって俯く。雲雀くんは全部素直に言葉に出してくれて、私も嬉しいはずなのに。
…ちょっとだけ後ろめたい理由はもう既に分かり切っているんだけど。
『あのね、雲雀くん』
「ん?」
『…わたし、雲雀くんに言ってないことある』
きっと結局は自分のことしか考えてなかったんだと思う。優しい雲雀くんを傷付けたくないなんて言いながら、自分のことばっかりだった。
『言いたいのに、言えなくて、嫌われたらどうしようって思って…』
私が弱虫で雲雀くんを信じられていないだけだった。
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ちょこれーと(プロフ) - すと@STo_dreamさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです…(´;ω;‘)更新頑張ります!! (2月19日 11時) (レス) id: 3d98585397 (このIDを非表示/違反報告)
すと@STo_dream(プロフ) - 新作!!待ってました!!もう既に神小説の予感しかしません…。ちょこれーと様ありがとうございます!次の更新が待ち遠しいです(笑) (2月18日 20時) (レス) @page4 id: 47475b39fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょこれーと | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/64be1a2e2a1/
作成日時:2024年2月18日 15時