EpisodeXXI ページ21
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正直カフェに行く気にはなれなかったけど、雲雀くんの連絡を無視するわけにもいかずカフェまで足を運ぶ。まだ営業日のはずなのに、なぜか��CLOSED��のプレートがかけてある。
扉を開けて飛び込んできたのは、鮮やかに装飾された店内だった。
『これ……』
「忘れてた？今日、Aちゃんの誕生日だろ？」
「みんなで祝おうってひばが考えたんだよ」
今日、私の誕生日。雲雀くんとお兄ちゃんに言われて初めて気が付く。
「おめでとうAちゃん」
『あ…、ありがとう』
「どう？ちょっとは元気出た？」
雲雀くんが私を見て笑ってそう聞く。わたしを元気づけるため…？みんなに迷惑かけて、ずっと顔出さなかったのに。その間にこんなことを考えてくれてたんだ。わたしのために。
『…わたし、すごく嫌なことがあって、自分のこと嫌いになって、みんなに心配かけて…』
雲雀くんは��嫌なこと��については何も聞かなかった。ぽんっと頭に手が乗っかる。少し視線をあげて雲雀くんを見る。綺麗な金色の目が眩しい。
「俺ね、Aちゃんにすきって伝えた時、困らせたんじゃねぇかって、言わない方が良かったんじゃねぇかって思った。でも奏斗がそんなこと思わなくていいって言ってくれたんだよな。だから、今こうやってAちゃんと付き合えてる」
『…うん』
「Aちゃんは…ほんとに嫌なことばっかだった？」
雲雀くんがすごく優しくそう聞いてくれる。
わたしは、わたしはきっと病気にならなかったら雲雀くんをすきにならなかった。
「Aちゃんが、ここにいてくれてよかった」
ああ、なんで。なんでそんなに優しいことを言ってくれるの。どうしてそんなに安心できるような、あったかい言葉を雲雀くんはいつもくれるんだろう。じわっと視界が歪んだ。
『…ごめ、顔洗ってくる』
雲雀くん、わたしもうすぐ死んじゃうんだよ。あと半年しか生きられないんだよ。それでも、私の人生ダメなものじゃなかった。
まだ全然病気のおかげなんて思えないけど。
生きてみようか。
空に溶けるその日まで精一杯生きてみようか。
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ちょこれーと(プロフ) - すと@STo_dreamさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて嬉しいです…(´；ω；‘)更新頑張ります！！ (2月19日 11時) (
レス) id: 3d98585397 (このIDを非表示/違反報告)
すと@STo_dream(プロフ) - 新作！！待ってました！！もう既に神小説の予感しかしません…。ちょこれーと様ありがとうございます！次の更新が待ち遠しいです(笑) (2月18日 20時) (レス) @page4 id: 47475b39fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちょこれーと
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/64be1a2e2a1/
作成日時：2024年2月18日 15時
