EpisodeXVIII ページ18
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小さい頃の私はお兄ちゃんに隠れてばっかりの人見知りだった。泣き虫で弱くて、いつもお兄ちゃんの後ろにいた。だから雲雀くんと会って、お兄ちゃんを取られてしまったみたいで少しだけ悲しかった。
「ねぇねぇ、Aちゃん。俺、奏斗だけじゃなくてAちゃんとも仲良くなりてぇんだけど、だめか?」
でも、そんな私にも雲雀くんは優しくしてくれて仲良くなりたいって言ってくれた。私が心を開いていくまで待っていてくれて、仲良くなるのに時間はかからなかった。
それからしばらくした時だった。私が病気になったのは。
『…入院?入院ってお兄ちゃん…わたし風邪じゃなかったの?』
「分からないから、どこが悪いのか検査してもらうんだよ」
私のどこが悪いの?病気なの?病気になって死んじゃったらどうしよう。こんなの誰にも言えない。こわい。どうしよう。だれか、だれか助けて。
「俺、もうずっとAちゃんのことが好きだよ」
「誰よりもAちゃんのこと好きなのは俺って覚えといて」
雲雀くん。雲雀くん、あのね。
私もうあと半年で死んじゃうんだって。もう勇気が出ないよ。病気の限りもう、前向きでいるなんて無理だよ。
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ちょこれーと(プロフ) - すと@STo_dreamさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです…(´;ω;‘)更新頑張ります!! (2月19日 11時) (レス) id: 3d98585397 (このIDを非表示/違反報告)
すと@STo_dream(プロフ) - 新作!!待ってました!!もう既に神小説の予感しかしません…。ちょこれーと様ありがとうございます!次の更新が待ち遠しいです(笑) (2月18日 20時) (レス) @page4 id: 47475b39fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょこれーと | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/64be1a2e2a1/
作成日時:2024年2月18日 15時