EpisodeXIII ページ13
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『帰るの遅くなった…!!』
学校帰り、いつも通りカフェに遊びに行こうとしてたのに、委員会で思いの外遅くなってしまった。ポツ、と頬に冷たい雫があたり徐々に地面を濡らしていく。空は曇っていたから嫌な予感はしたけど、あいにく傘を持ってない。
びしょ濡れになりながら何とかバス停の屋根の中に避難する。タオルとかも持ってないな。天気予報は晴れって言ってたのに。止みそうもないしこれからどうしよう…。そう思っていると誰かからタオルを差し出される。
「A?」
『セラくん!』
「すごい濡れてるじゃん。大丈夫?カフェまでなら入ってく?」
『やった、助かる!ありがとう!!』
通りすがりのセラくんだった。セラくんもカフェに行く途中だったようで傘に入れてもらう。セラくんは頭もいいし何でもできちゃうから、いつも助けてもらってばっかりだ。セラくんに会えたの運良かったな。
しばらく2人で歩いてたのに、セラくんは急に止まると私に傘を傾けた。
「Aこれ使いな?俺走ってく」
『え、セラくんが濡れちゃうじゃん。行先一緒だし2人で行けばよくない?』
「相合傘になるじゃん」
『え、』
セラくんがサラッとそんなこと言うから驚いてかたまってしまう。セラくんもそんな事気にするんだ、と思って思わず笑うと「気にしてない」となぜか怒られて結局2人で行くことになった。
「ってかA、体弱いんだから気を付けてよ。前入院したことあったじゃん」
『う、うん。でも今は大丈夫だよ!全然元気だしさ!』
セラくんにそう言われて慌ててごまかす。本当は手術しないと治らない病気だけど、今すぐ死んじゃうとか決まってるわけじゃないし。これはセラくんたちには秘密だけど。とにかくこれは話題を変えよう。
『そ、そう!セラくんに相談あってさ!やっぱり好きとか、口に出した方がいいかな?』
「ん?」
『雲雀くんに、言いたいんだけど、恥ずかしくて言えなくて。言いすぎるのも良くないのかな?』
セラくんは雲雀くんとも仲いいし、男の人だから何か分かるかも。話を逸らすための話題だけど、本当に悩んでる事だから聞いてみる。セラくんはいいアドバイスくれるかもしれない。
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ちょこれーと(プロフ) - すと@STo_dreamさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです…(´;ω;‘)更新頑張ります!! (2月19日 11時) (レス) id: 3d98585397 (このIDを非表示/違反報告)
すと@STo_dream(プロフ) - 新作!!待ってました!!もう既に神小説の予感しかしません…。ちょこれーと様ありがとうございます!次の更新が待ち遠しいです(笑) (2月18日 20時) (レス) @page4 id: 47475b39fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょこれーと | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/64be1a2e2a1/
作成日時:2024年2月18日 15時