大好きな声【kyng】 ページ39
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『ねぇねぇ、ロウくんって好きな人いるの？』
何でそんなに聞くのが怖いことを、易々と本人に聞けたかなんて自分でも分からない。
深夜テンションの中電話したからなのか、今までの積み重ねなのか。用もないのに電話かけれちゃうくらいだし、傍から見れば仲が良いなんて言ってもらえるけど。結局私とロウくんは友達な訳で、いつこの立場が奪われてもおかしくない。
「…いる」
ロウくんのいつもより低い声が電話越しに聞こえた。意外、絶対教えてくれないと思ったのに。一匹狼みたいな感じだから好きな人がいることにもびっくりしたけど、それ以上に素直に教えてくれたのに驚く。少しだけ胸がチクリと痛んだのはスルーする。
『ロウくんの好きな人ってどんな人？』
気付けば私はそう口を滑らせていた。別に無言が気まずい仲じゃないのに、何だかお互い黙ってしまうのが嫌だった。教えるわけないだろ、なんて怒られてもおかしくないのに、ロウくんが笑う声が聞こえた。
電話越しでも分かってしまう。今ロウくんは、何か思い出すように遠く、想いを馳せるような優しい表情をしてて、きっとその人のことが本当に好きなんだろうなぁって。
「…ちっこくて、いつも笑ってんの。何でも一生懸命で、俺に無い物持ってる」
ロウくんがいつもよりずっと、優しい声でそう言葉を紡ぐ。うん、とだけ頷いて相槌を打つ。やっぱりそれ以上聞きたくないなんて思ったけど、私から聞いたことでもう遅い。
「こんな俺と一緒にいるの楽しいとか言っといて、俺の好意には気付かねぇの。俺ソイツ以外に仲いい女子とかいないのに、ほんっと鈍くて…不器用」
『え…』
「あー…特に、俺の声が好きで、用もねぇのに今も電話かけてきてる奴」
ロウくんの言っていること、それじゃあ、まるで…。顔が信じられないほど熱を帯びていくのを感じる。電話だからロウくんが今、どんな表情をしてるのかは分からないけど。
「俺、結構頑張ってたつもりだったんだけどな」
『ロ、ウくん、私も』
「…あー、待って。明日直接言う」
私が言いかける前に、一方的に言葉を遮ってプツンと電話を切ってしまう。おやすみ、という送られてきたメッセージをぼーっと見つめる。目を瞑ってみたけど寝れそうになかった。
しばらく、耳の奥で私の大好きな声がまだ残っていた。
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ヒーロー達ももっと書けたらいいな！
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ちょこれーと(プロフ) - しきさん» コメントありがとうございます！少しずつ解像度あげて書けるように頑張ります！ (3月7日 21時) (
レス) id: 3d98585397 (このIDを非表示/違反報告)
しき(プロフ) - ﾋ-ﾛーまってます！ (2月28日 20時) (レス) @page39 id: 3ca2ff76bf (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - 征狐さん» コメントありがとうございます！正直メンタル終了してたことが多々あったので、ゆっくり休みます…。ありがとうございます！！ (2月12日 15時) (レス) id: 3d98585397 (このIDを非表示/違反報告)
征狐(プロフ) - 合格おめでとうございます！今まで大変だったと思います、ゆっくり休んでくださいね…✨ (2月12日 15時) (レス) id: 884f1b32a5 (このIDを非表示/違反報告)
のんはる(プロフ) - ちょこれーとさん» 私なんかの小説を！？ありがとうございます！！これからも更新楽しみにしてます！！ (2月10日 21時) (レス) id: 938b37ffce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちょこれーと
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/64be1a2e2a1/
作成日時：2024年1月2日 15時
