・ ページ36
・
何を、なんて聞くほど馬鹿じゃない。何なら今の状況は��それ��しか考えられなくて、Aの反応からするに正解だった。思わぬ言葉で思わず鋭い声が出た。普段のAなら絶対言わないその言葉。思わずいいよと言いそうになって、咄嗟にその言葉を飲み込んだ。
「…しないよ、だってAちゃん酔ってるじゃん」
『酔ってないよ』
「酔ってるよ…。俺、お酒飲んでるAに手出したくないし」
そもそもお前酔ってないとそんなこと言わないだろ、と言いかけたのは言わなかった。こんな状況で手出したくない。えー？と不満げに口を尖らせたAの手を自分の袖から離して、今度こそ寝室から出ようとする。
『雲雀の意気地なし』
「えぇー…」
やっぱり今日のAはなんだかおかしい。いつも夜のお誘いは俺からだし、お酒飲んでるのもやっぱおかしい。絶対なんかあった…としばらく考えて、1つだけ思い当たる節を見つけた。だけど、やっぱり手は出さない方がいい気がしてもう一度ドアに手をかけた。それを何か言いたげに見ていたAがもう一度口を開く。
『…じゃあ奏斗くんにFPS教えてもらう』
「はぁ？そんなん俺でいいじゃん…じゃなくて、何で奏斗が出て来るんだよ」
『奏斗くんのが上手いし、この時間ゲームしてるからいつでも教えるって言われたの。ひばは今日嫌なんでしょ』
自分が思ったよりも低い声が出て驚く。これ多分Aの掌の上なんだろうな、なんて思ったけどもう仕方なかった。たとえそれが仲間でも、今他の男の名前を出すのは違うだろ。ふらふらと覚束ない足取りでデスクに向かうAを咄嗟に引き留めた。
俺の方によろけて倒れそうになるAを強く抱きしめる。俺が怒っているのが伝わったのか、されるがまま黙る。
「いーよ、そんなに言うならする」
『…ひば、』
「その代わりマジで止まってあげないから」
鋭い視線を向ければ、Aは少し怯えるような表情をして、でもその奥には少し嬉しそうな色を見せた。ならお望み通り付き合ってあげる。俺の思い当たる節が本当か確認もしたいし。
…とりあえず、あとで奏斗にこっぴどく叱っておかないと。
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1622人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちょこれーと(プロフ) - しきさん» コメントありがとうございます！少しずつ解像度あげて書けるように頑張ります！ (3月7日 21時) (
レス) id: 3d98585397 (このIDを非表示/違反報告)
しき(プロフ) - ﾋ-ﾛーまってます！ (2月28日 20時) (レス) @page39 id: 3ca2ff76bf (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - 征狐さん» コメントありがとうございます！正直メンタル終了してたことが多々あったので、ゆっくり休みます…。ありがとうございます！！ (2月12日 15時) (レス) id: 3d98585397 (このIDを非表示/違反報告)
征狐(プロフ) - 合格おめでとうございます！今まで大変だったと思います、ゆっくり休んでくださいね…✨ (2月12日 15時) (レス) id: 884f1b32a5 (このIDを非表示/違反報告)
のんはる(プロフ) - ちょこれーとさん» 私なんかの小説を！？ありがとうございます！！これからも更新楽しみにしてます！！ (2月10日 21時) (レス) id: 938b37ffce (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちょこれーと
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/64be1a2e2a1/
作成日時：2024年1月2日 15時
