【2j3j】私たちは恋にはならない【knmc】

14、あまやどり ページ15

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『いい！止むまで待つから』



「この雨止まないよ」



『止むから！』



「止まないって」



『止むの！1人で帰るから大丈夫！』



「ええ…」










私は刀也みたいに大人じゃないから、素直になんてなれやしない。
お互いに中々引き下がらないでいると、先に折れたのは刀也の方だった。










「そうですか、じゃあ勝手にしてください」



『ま、マジで帰った…』











刀也はそう言い残すと、傘をさして一人で歩いていってしまった。
そりゃ私が頑固なのが悪いんだけど、ちょっとショックを受けてる自分がいる。
本当に帰りやがった…！！


もちろん刀也に言われなくとも、この雨が夜まで降り続くことは分かってる。









『仕方ない…』









走れば10分くらいだ。
そう思い、せめてもと鞄を頭の上に乗せると図書館の屋根を飛び出した。










「だったら、最初から素直に入ってくって言えばいいのに」



『刀也…！帰ったんじゃ…』



「ほんっとに素直じゃねぇ」









びしょ濡れになることを覚悟したのに、上から傘を差された。
びっくりして横を見ると、帰ったはずの刀也がいる。









『わ、私が傘持つ！』



「僕の傘なんだけど」










別にこんな生意気な幼馴染置いて行けばいいじゃん。
刀也のあっちの肩が少し濡れていて、何だかちょっと悔しかった。









『刀也濡れるでしょ。私、こっからでも走るし…』



「また風邪でも引かれたらプリンが消えるんで」



『もう引かないもん』









そんな刀也の優しさがすごく悔しくて、どうしようもなく嬉しかった。










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