Episode29 ページ30
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今日の大手との取引のことを思い出しながら寝た。
元上司から電話がかかってきたから前の会社の事も色々思い出してしまったけど、ケジメは付けられたし、取引が上手くいったこともあって辛かったことはすぐに忘れた。
忘れられたはずだった。
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『やっと、帰れる……!』
机いっぱいにあった資料をもとの場所に戻して、パソコンの入力画面をもう一度確認して、私は大きく伸びをした。
計算に間違いはなさそう。
この量の資料を一気に渡された時は焦ったが、何とか締め切りまでに終わらせられた。
時間はまだ午後九時半。いつもより大分早く帰れそう。
周りを見渡せば、オフィスに残っているのは私だけだった。
「あ、月宮やっと終わったか?おっせぇな」
『っ…、すみません。お疲れ様で…』
「あ、じゃあこっちの入力もお願いできる?じゃ、先上がりまーす」
『えっ、ちょっ!』
帰る準備をしていたら、最悪なことに上司に遭遇。
それだけでも最悪すぎるのに、また山積みの資料を渡された。
しかも期限は明後日まで。残業しないと絶対終わらない。
私は帰りの準備を中断して、またパソコンを立ち上げた。
『終わらない…!何で私ばっかり!!』
ただでさえストレスが溜まりまくっていた私に、追加の仕事が追い打ちをかける。
今頃あの上司は家で優雅にテレビでも見ているんだろうか。
イライラしてきた。どうしようもないけど。
とりあえず終わらせないと、また当たりが強くなる。
「よいしょっと…先輩、私も手伝いますよ!」
『霧島さん!』
必死にパソコンと格闘していると、目の前の資料が半分ほど持ち上げられた。
上を見上げると、ニコニコと優しく微笑む私の部下の霧島さん。
霧島さんも残業してたんだろうか。
「2人でやれば早いですし!一緒にやりましょ?」
『…っ、ありがとう』
パワハラの集中砲火を浴びる私を自分に飛び火しないように、見て見ぬふりする社員が多い中、霧島さんは私の事を気にかけてくれる。
こうやって甘えてしまうこともしばしば。
優しくて、可愛くて、仕事もできる私の自慢の後輩だ。
「今日中に終わらせちゃいましょ!」
『うん!頑張ろ!』
ちょっとだけ元気になった私は、またパソコンに向かった。
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ちょこれーと(プロフ) - 七瀬えぬ??@Nの嫁さん» コメントありがとうございます!返信めちゃくちゃ遅くなってすみません(´;ω;`)ウッ…こちらこそ、素敵なリクエストありがとうございます!感謝感謝すぎます…💖 (7月17日 13時) (レス) id: 3d98585397 (このIDを非表示/違反報告)
七瀬えぬ??@Nの嫁(プロフ) - ご完結おめでとうございます!(でいいのかな、?)リクエストも答えてくださりありがとうございました!!😭一枚上手な夢ちゃんとのfwさんの絡みがいつも顔が赤くなるくらい甘すぎて『てぇてぇ』でした、!!感謝感謝!!! (2022年12月3日 10時) (レス) id: 73fef89aef (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - 翠さん» コメントありがとうございます!ストーリー考えるの大変だったのでそう言っていただけると嬉しいです!翠さんにもいいことがありますよーに🌈 (2022年11月19日 12時) (レス) id: 3d98585397 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - エイの干物さん» コメントありがとうございます!aknのから読んでくださったんですね!めっちゃ嬉しいです!! (2022年11月19日 12時) (レス) id: 3d98585397 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - ひてゃんさん» コメントありがとうございます!読者の皆様のおかげで完結させることができました・本当にありがとうございます!! (2022年11月19日 12時) (レス) id: 3d98585397 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょこれーと | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/64be1a2e2a1/
作成日時:2022年10月1日 22時