Episode16 ページ17
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『…不破くん、私に一切触れずにここから出てくれる?』
俺は今、Aちゃんに押し倒されている。
「Aちゃんったら大胆やねぇ……」
『違うから』
「これってフリ?触ればええってこと?」
『だから違う!足が痺れて動けないの!』
カーペットの上に座ってたAちゃんが立ち上がろうとした瞬間、隣に座っていた俺を押し倒してきた。
Aちゃんが言う通り、本当に痺れて動けないようで手がぷるぷるしてた。
「下から見るAちゃんも可愛いなぁ」
『バカなこと言ってないで早く出てもらっていい?』
バカなことって何やねん。事実やろ。
いつもは俺が上が良いけど、この眺めも悪くないな。
そんなことを考えている俺が、大人しく退くわけもなく。
『…っん、ほん、とに待っ、』
「…待たへん」
少し体を起こすと、目の前のAちゃんの唇に自分のそれを合わせた。
うっすら目を開けると、俺の方に倒れないように足の痺れに耐えながら、ぎゅっと目を瞑っているAちゃんが。
…別に倒れてきてくれてええんやけど、なんて。
角度を変えてみたり、わざと音が出るように唇を離してもAちゃんは動じない。
それがちょっと悔しくて、少し体重をかけて俺がAちゃんを押し倒した。
『やめてって言ったでしょ』
「Aちゃん、怒っちゃ?」
『不破くんが私のことなめてるから怒ったかも』
「なめとるって…うおっ!?」
視界が180度変わって、さっきと同じようにAちゃんに押し倒された。
″怒ってる″って言ったくせに、Aちゃんは驚いた俺を見て、目を細めながらもう一度唇を重ねた。
「足痺れとる言うたやん…」
『もう治ったよ』
Aちゃんの唇が俺の首筋をなぞって、悔しいけど身体がぴくりと震える。
目の前にはいつものように、余裕のある妖艶のある笑みを浮かべたAちゃん。
『ホストだからって、年上なめんなよ不破くん』
今日も俺の姫は一筋縄ではいかない。
「惚れそう」
『いいけど、笑』
「もう惚れてた」
そして、悔しいくらいにカッコいい。
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ちょこれーと(プロフ) - 七瀬えぬ??@Nの嫁さん» コメントありがとうございます!返信めちゃくちゃ遅くなってすみません(´;ω;`)ウッ…こちらこそ、素敵なリクエストありがとうございます!感謝感謝すぎます…💖 (7月17日 13時) (レス) id: 3d98585397 (このIDを非表示/違反報告)
七瀬えぬ??@Nの嫁(プロフ) - ご完結おめでとうございます!(でいいのかな、?)リクエストも答えてくださりありがとうございました!!😭一枚上手な夢ちゃんとのfwさんの絡みがいつも顔が赤くなるくらい甘すぎて『てぇてぇ』でした、!!感謝感謝!!! (2022年12月3日 10時) (レス) id: 73fef89aef (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - 翠さん» コメントありがとうございます!ストーリー考えるの大変だったのでそう言っていただけると嬉しいです!翠さんにもいいことがありますよーに🌈 (2022年11月19日 12時) (レス) id: 3d98585397 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - エイの干物さん» コメントありがとうございます!aknのから読んでくださったんですね!めっちゃ嬉しいです!! (2022年11月19日 12時) (レス) id: 3d98585397 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - ひてゃんさん» コメントありがとうございます!読者の皆様のおかげで完結させることができました・本当にありがとうございます!! (2022年11月19日 12時) (レス) id: 3d98585397 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょこれーと | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/64be1a2e2a1/
作成日時:2022年10月1日 22時