◆冷静になれよ ページ30
・
「ふわっちー、Aちゃん知らん?」
「どうしたん?」
「いや、一緒に帰ろって言ってたけどどこにもおらんし…。何かLINEも既読つかんのよ」
「あー…授業長引いて講義室とか?Aちゃんが使うのって多分あっちの校舎やない?」
「行ってみるわ!」
いつもは先に待っていてくれるか、連絡をくれるのに、7限が終わってもAちゃんがいない。
昨日泣いてたこともあるし、ちょっと心配だ。
ふわっちに言われた通り、講義室に行ってみることにした。
「ホンマにおるかな、」
すれ違ってたら最悪やな。
なんて思いながらもとりあえず講義室に向かう。
「アンタなんかが三枝くんの眼中に入るわけないじゃん。私はずっと前から好きだったのに」
すると、そんな声とともに、急に中からバチンと弾けるような音が聞こえた。
何となく嫌な予感がして、講義室の扉を勢いよく上げる。
『っ、あき、な?』
赤くなった頬をおさえるAちゃん。
そして、驚いてこちらを振り向くAちゃんとよく一緒におる子と、その周辺に数人の女子。
説明されなくても、何となく状況が分かった。
コイツがAちゃんを叩いた。
そう理解するとすぐに、Aちゃんを自分の方へ引き寄せた。
「これ、どういうこと?」
「こ、れ、は…」
俺がその子を睨みながら言うと、歯切れの悪い答えが入ってくる。
やっぱり見たまんまのことが起きたんだと確信した。
「いくらなんでもこれはないだろ。何したか分かってんの?ちょっとは冷静になれよ」
俺から出た冷たい声に自分でも少し驚く。
それでも、何もしてないAちゃんを傷付けたのが許せなかった。
「話聞こえたけど。俺の事好きでいてくれたのは嬉しいことやけど、今お前がやったことは許せへんわ。つーか、告白したん俺の方やから。Aちゃんしか見えてへんのよ俺は」
それ以上にこの事に昨日気付けなかった自分が許せなかった。
・
712人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちょこれーと(プロフ) - ぱぱぱんさん» コメントありがとうございます!優しい読者様のおかげでここまで書けました…!そう言っていただけて嬉しいです♡ (2022年10月1日 16時) (レス) id: 3d98585397 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぱぱん - 完結おめでとうございます…!読んでるこちらも泣けてくるくらいすごく良いお話でした!(上から目線で申し訳ない)文も読みやすかったです! (2022年9月30日 17時) (レス) @page50 id: 81f1be7b27 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - 乳酸菌そーださん» コメントありがとうございます!初めて書くジャンルで難しかったんですが、aknのピュアな所?をたくさん書けて満足です! (2022年9月29日 21時) (レス) id: 3d98585397 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - のわさん» コメントありがとうございます!自分も書いてて楽しかったので、そう言われると嬉しいです!最推しはaknなので、また書きたいなって思ってます! (2022年9月29日 21時) (レス) id: 3d98585397 (このIDを非表示/違反報告)
乳酸菌そーだ - 完結おめでとうございます!!読んでいてすごく胸がキュンキュンしてました、すっっごく面白かったです✨ (2022年9月29日 20時) (レス) @page50 id: add652d645 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ちょこれーと | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/64be1a2e2a1/
作成日時:2022年8月21日 17時