◇ナンパはちょっと嬉しい ページ19
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明那もうすぐ着く!
明那ごめんやけど、もうちょっと待っといて!
Aわかったよ〜!慌てなくていからね
大学の授業が終わって、今日は私も明那もそれぞれ予定があった。
その予定が終わる時間も場所も似ていたので、駅前で待ち合わせすることになった。
私の方が少しだけ用事が早く済んだので、先に待ち合わせ場所に着く。
全然慌てなくていいのに、この様子じゃ急いで向かってるんだろうなぁ。
どっちにしろ明那が着くまでは時間がかかりそうだ。
私はあたりを見回すと、再びスマホに視線を落とした。
「あの、すみません!」
『え……、あ、はい』
ふと頭上からそんな声がかかる。
スマホから顔を上げると、私と同い年くらいの男性2人が話しかけてきた。
「うわ、やっぱめちゃ可愛いじゃん」
「急にすみません!俺らめっちゃ可愛い子いるな〜って声かけちゃったんですけど、もしよかったらこの後ご飯とか行きません?」
チャラい印象を受ける人と、意外に礼儀が正しい人。
どうやらこれは、典型的なナンパというやつらしい。
駅前で人通りも多いし、きっと1人でいたからだろう。
『あー、すみません。その、彼氏待っ…』
「Aちゃん!遅くなってもうた!」
『明那、』
当然、断ろうとするとそこに丁度明那がやって来た。
私に「ごめんな!」と謝ると、視線は男性2人組の方へ向く。
「…誰」
「わ、彼氏さんいたんですね!すみません!」
「クソ、彼氏持ちかよ〜」
スッと明那の視線が鋭くなって、2人は逃げるように私から離れて行った。
明那はじーっとそちらをしばらく睨むと、私に向き直る。
「もっと早く来れば良かったわ。何もされてへん?」
『うん、大丈夫だよ〜』
「マジで俺が一緒にいないと、すぐ変な虫つく…」
明那がそう一気に不機嫌になるので、私は少し笑ってしまった。
「何笑うん!危ない奴かもしれんのに!」
『だって、明那の嫉妬心が剥き出しで嬉しいなーって。多分危ない奴でも明那が守ってくれるし?』
「もう、さぁ、Aちゃんってたまにあざといよなー!ズルいってほんまに!」
『ふふ、』
ナンパは嫌だけど、こういう明那が見れるのはちょっと嬉しい。
なんて、本人に言ったら怒られちゃうな。
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ちょこれーと(プロフ) - ぱぱぱんさん» コメントありがとうございます!優しい読者様のおかげでここまで書けました…!そう言っていただけて嬉しいです♡ (2022年10月1日 16時) (レス) id: 3d98585397 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぱぱん - 完結おめでとうございます…!読んでるこちらも泣けてくるくらいすごく良いお話でした!(上から目線で申し訳ない)文も読みやすかったです! (2022年9月30日 17時) (レス) @page50 id: 81f1be7b27 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - 乳酸菌そーださん» コメントありがとうございます!初めて書くジャンルで難しかったんですが、aknのピュアな所?をたくさん書けて満足です! (2022年9月29日 21時) (レス) id: 3d98585397 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - のわさん» コメントありがとうございます!自分も書いてて楽しかったので、そう言われると嬉しいです!最推しはaknなので、また書きたいなって思ってます! (2022年9月29日 21時) (レス) id: 3d98585397 (このIDを非表示/違反報告)
乳酸菌そーだ - 完結おめでとうございます!!読んでいてすごく胸がキュンキュンしてました、すっっごく面白かったです✨ (2022年9月29日 20時) (レス) @page50 id: add652d645 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょこれーと | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/64be1a2e2a1/
作成日時:2022年8月21日 17時