【2j3j】唐辛子だけど甘いんです【akn】

※きっかけ ページ11

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明那は私の自慢の彼氏だ。
大学の科も違うし、きっかけが無かったらずっと話さなかったんだろうな。
だから、心から出会えてよかったって思えるの。


あの頃の私は、彼氏を作りたいとも恋をしたいとも微塵も思ってなかった。
高校時代に恋であんまりいい思い出が無かったから。
そんな私が明那と初めて話したのは1年生の五月の終わり頃。






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憧れの大学生になって早一か月、少しずつ大学生活にも慣れて来た。
恋はしないとはいっても、それ以外の形で大学生活を謳歌したい。
そんな時、友達に「皆でご飯食べに行こうと思うんだけど、Aちゃんも来ない？」と誘われすぐに了承した。


そのことを今、猛烈に後悔している。











「初めまして！愛瑠っていいます！彼氏もいなくて今はフリーです♡」










…これ、ご飯食べに行くってゆーか合コンじゃん！？


てっきり女子会みたいなものを予想していた私は、店に先についていた男性陣を見て絶句した。
私を誘った友達に「聞いてないよ！？」とこっそりLINEを送ると、「だって合コンって知ったらAちゃん来ないじゃん！Aちゃんに来てほしかったの！今は楽しも？許して♡」と返ってきた。


彼氏なんてもう懲り懲りなのに、大学生になって早々こんな所にいるなんて。
周りを見れば、もうペアになって仲良くなり始めている友達たち。
そこに割って入るわけにもいかず、話しかけて来る男の人に笑顔を貼り付けて接する。


途中まで愛想笑いで耐えていた私だが、流石に限界を迎えて席を外した。
…今までの経験で分かるんだよ。
こーゆーので付き合うと8割別れるって！！









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『あー…疲れたー…』










表情筋がピクピクしてる。
大人数で遊ぶのも、初対面の人と話すのもあんまり好きじゃないから疲れる。
お金置いて先帰っちゃダメかな〜。
めっちゃ人数多いし、1人ぐらい抜けても問題ないよね？
いやでも、感じ悪いし誘ってくれたのに申し訳ないよなぁ…。


あんまり席を外してるのも変に思われる。
お店の外で葛藤し、せめてこの場だけは耐えようとまた愛想笑いを貼り付けて戻ろうとした時だ。










「疲れたー…」










私と全く同じことを言いながら、お店の外に出て来た男の人。
まさか外に先客がいるとは思わなかったのか、私に気付くと目を丸くした。










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