7、作ってきてしまった ページ7
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『あの、えっと…その…』
「何だよ、はっきり言え」
『っ、これ、良かったら、、どうぞ…』
また灰谷くんに、昼休み中庭に攫われた。
灰谷くんは、いつも購買やコンビニで何か買って食べている。
昨日の200円も自分が購買で何か買う用だったらしい。
…絶対お節介だよねコレ。
そう確信しながらも、灰谷くんが美味いと言ってお弁当を食べたのを今日の朝、思い出してしまった。
誰かとお弁当を食べるだけでも嬉しかったのに、実はアレかなり嬉しかった。
断られたら私が今日の夜にでも食べればいいや。
そう思い、灰谷くんのお弁当を作ってきてしまった。
『えっと、その…1人分作るのと手間は変わんないし…。彼女でも友達でもないのにごめんね!絶対お節介だと思うんだけど、パンだけってあれかな〜って…』
栄養とか心配だし、前にお姉ちゃんが不摂生で倒れたことあるし…。
特に深い意味はないです!!と頭の中で言い訳をする。
ちょっと、灰谷くん何も言わないってことは絶対困ってるじゃん!!
バカみたい私。
からかわれてるだけなのに、誰かと話せるの嬉しくて調子乗った。
『〜っ、今のナシ!ごめん忘れて!』
「…いや、食うけど」
『へ…?』
灰谷くんがそう言ったのに驚いている隙に、スッとお弁当を取られる。
た、食べてくれるんだ。
灰谷くんはそのまま蓋を開けた。
「うま…いけど、俺人参嫌いなんだよなー」
『っあ、分かった!覚えとく!』
灰谷くんはハンバーグを口に運ぶと、そう言った。
確かに人参のグラッセが入っている。
答えてしまってハッとなった。
「それって次からも作ってくれるって事ー?」
『え、あ…、灰谷くんがいいなら…』
灰谷くんは待ち構えていたかのようにニヤッと笑う。
…そんなに美味しいのか私のお弁当。
『でも!人参って栄養あるから食べたほうが…』
「嫌っつってんだろ。南は俺の言う事聞いとけばいーの」
とか言いながら、人参も綺麗に完食してあった。
「あっま。他の人参よりはまだマシだわ」とか言いながら。
「でも毎日はいいわ」
『そうだよね、毎日は飽きるよね』
「じゃなくて、お前が作るの大変だろ。今度購買のカツサンド食ってみろよ」
『…う、うん』
やっぱり灰谷くんは少し優しいです。
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トめAと@カド松(プロフ) - ちょこれーとさん» え、うれしいヾ(。>﹏<。)ノ゙✧*。 頑張ってくださいね! (2022年8月1日 18時) (レス) id: 1997f03d67 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - トめAと@カド松さん» もうすぐ完結の予定です!あと、イラスト拝見したことがあります!!めっちゃ上手ですね!! (2022年8月1日 16時) (レス) @page38 id: 3d98585397 (このIDを非表示/違反報告)
トめAと@カド松(プロフ) - きゃー!!いい展開になってきたー!! (2022年8月1日 7時) (レス) @page38 id: 8b7bdbc23e (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - ゆきみ大福さん» あっ、マジですか!?苗字でも名前でもよくありますもんね!被っちゃってすみません…!笑 (2022年7月31日 22時) (レス) id: 3d98585397 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきみ大福 - おぉう…私したの名前みなみw (2022年7月26日 11時) (レス) @page2 id: 0b7a4ff9a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょこれーと | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/64be1a2e2a1/
作成日時:2022年4月6日 12時