多分い じめられてます【灰谷蘭】

29、関わることなんて ページ29

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何で、何で。
この気持ちが恋だと分かった瞬間に、こんなことになるなんて。
止めたいのに涙が止まらなかった。


釣り合わないって分かってるのに、私が欲張りなのが悪い。
そう自分に言い聞かせる。


蘭くんに初めて反発した。
蘭くんを初めて無視した。
私だって、あんなこと言いたかったわけじゃないのに。









「A！」



『…っ、放して』









全速力で走ってきたはずなのに、蘭くんにあっという間に追いつかれてしまった。
手を振り払おうとしても、ビクともしない。
それどころが手首に込められる力が強くなった。









「おま、何で泣いて…」



『…何でもないです』









泣いているのを見られたくなくて顔を背ける。
ふっと掴まれていた手が緩んだ。









「…俺、何かしたか？泣いてんの俺のせいだろ」









引っ込みかけていた涙が、またぶわっと溢れ出した。
やだ、やめてよ蘭くん。
私のこと何とも思ってないくせに、優しくしないで。


私はぎゅっと拳を握りしめると、振り返って蘭くんを睨んだ。










『そう！全部蘭くんのせい！！いじめられるのも、パシられるのも全然平気。他の人に何て言われてもどうでもいい。でも、蘭くんにはやだよ…』



「教室の話…聞いてたって事か…？」



『地味なのも可愛くないのも全部知ってる。けど、それでも嫌だ…。

　…っ、今日はもう帰るね。私にももう関わらないで』










蘭くんの目が少し見開かれる。
否定しないってことは、やっぱり教室でのことは本心なんだ。


めんどくさい奴って思われたよね。
好きだけど、大好きだけど、こんな惨めな思いするくらいなら関わらない方がマシだ。
そうだよ、普通に過ごしてたら最初から関わることなんて無かった人なんだから。



















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