多分い じめられてます【灰谷蘭】

25、変わってゆく ページ25

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「おい」



『ひっ、な、何？灰谷くん』










最初は声を掛けられるたびに怖くて怖くてたまらなかった。
いつも怯えて蘭くんの顔を見ることさえできなかった。










「蘭〜、髪型変えたの！どう？」



「かわいーじゃん」










今までは何とも思っていなかった。
蘭くんが女の子に囲まれて、甘い言葉を吐いていることも。











けど、











だんだん蘭くんといる時間が楽しくなって、
優しい面を知って、怖いなんて思わなくなった。


蘭くんが他の女の子と楽しそうにしていると、
ズキリと胸が痛くなるようになった。












「ありがとなA」



『…う、うん』











あの日から、蘭くんの顔が見れない。
最早近付いてくるだけで、顔が猛烈に熱を持つ。


蘭くんが自分を守ってくれたこと。
距離がすごく近くて、固まっちゃって。
私の頭に乗せられた手が、私に向けられる声や笑顔が嬉しかった。


あの時も顔が熱かったけど、長い前髪とすぐに俯いたおかげでバレてないと思う。













私を変えてくれた人。
私の事を気にかけてくれる人。


そういう意味で今までも蘭くんのことは「好き」ではあったけど、
そういうのではない気がする。
















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『とにかく！こんなこと初めてなの！何…何なのこれ…』














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