少女漫画のようにはいかなくても【松野千冬】

両想い＊16 ページ17

・








『ちょっと千冬しぶとすぎない？いい加減死にな？』



「ちょっとひどくないッスかそれ。Aさんが攻撃外すからいけないんですよ？」



『はは、どうやって死にたい？』



「怖ぇ…」



『ちょ！？怖いとか言っときながらサラッと殺さないでよ！？』



「Aさん弱い」



『も、もう1回！今のは練習だから！』












私は現在、千冬とゲームで争っていた。
受験前には全然できなかったから、いつぶりだろう。
おかげで腕も鈍っているわけだ。
千冬が強いとか、そういうわけではない。絶対違う。


あれからお泊りの日までは、長いようであっという間だった。
2人きりってもっと緊張するものだと思っていた。
けれど、千冬といると落ち着くっていうか意外とそうでもない。













『あああああ、また負けた…』



「Aさん、負けず嫌いすぎ」



『おかしいな…霜月家じゃ負けなしだったのに…』














あれからしばらく千冬に挑んでいたけど、全敗という輝かしい記録を残した。
ちょっとこのゲームは私に合わないんだな、うん。


その後は2人でまったりと色々な事をして過ごした。
今まで恋人らしいこともできなかったから、私も嬉しい。













『千冬ぅ〜』



「ん？」



『好き』














こうういうことを普通に言えてしまうのは何でかな。
その場の雰囲気？















「珍しい」



『うるさい』



「甘えたですか」



『そんなとこ』
















それなりの覚悟はしてきたよ、今日。
私は全部、千冬のモノだから。














「…俺も」



『ふふ、知ってる』














・

両想い＊17→←両想い＊15

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す