東卍の姫が悪女らしいので何とかしたい。【東京リベンジャーズ】

41、関わらないで ページ41

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もうこの状況がどうしようもないこと。


エルさん自身はもう逃げられない所まで追い詰められていること。


ようやくエルさんはそれを理解した。










「ほんっと、Aちゃんって性格悪いよね」



「お前がんなこと言える立場じゃねぇだろ」










ある程度予想はしていたけど、エルさんは反省するそぶりなど見せずに開き直る。


私に向けられる棘のある言葉。


そんな言葉から三ツ谷くんが私を庇ってくれる。










「自分が性格いいなんて言ってない」



「じゃあ何なんだよ」










お兄ちゃんもそう言い返す。


三ツ谷くんが持ってきてくれた証拠の信憑性は十分だったらしく、他の隊の人たちのエルさんを見る視線も厳しいものになっていた。










「だって、こんなに証拠があるくせにずっと黙ってたんだもの」









エルさんはそう言うと、私を見据えた。


正確悪い、か。


やっぱりそう見えてしまうよね。


私はエルさんの言葉を認めて、謝ろうとした。










「お前、Aちゃんが何で今まで黙ってたか分かんねぇの？」



『…三ツ谷くん』










しかし、その言葉は三ツ谷くんに遮られる。


エルさんは訳が分からないと、三ツ谷くんを睨んだ。










「お前が自分のやったことを反省して、謝んのを信じてたんだよ」



「…は」










…三ツ谷くんには、ほんと敵わない。


鋭すぎるよ、そんなことまで分かっちゃうなんて。










『…謝ったら全部許されるわけじゃない。けど、謝ればそこからスタートできるから』










謝れば、自分の過ちを認めることになる。


そうすれば、完全に悪にならずに優しい自分を取り戻せる。


可能性は低くても、エルさんがどれだけ憎くても、私はそれを信じてた。


今までのエルさんの悪事が、誰にも気付かれていない可能性は低いだろう。


それでも今まで普通にやってこれたのは、見て見ぬふりをされていたから。


だから、エルさんには変わるきっかけがなかった。


それだけだとずっと信じてきた。











『…でも、エルさんは違った。貴方は私の大事な人を傷付けた。もう信じたりしない。








　…もう私たちに関わらないで』











これ以上、エルさんを信じるのは間違った正義だから。


信じたかったよ、貴方のことを。


けれどもう許すことはできない。

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