5、黒だ ページ5
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やっぱり、東卍の人がいなくなったからこういう事するんだ。
陰湿なやり方に顔が強張る。
「アンタみたいなのが千冬に近寄らないでくれる?助けられたのってたまたまじゃん?二度と来るな。」
「っ…」
エルさんはさっきまでの態度が信じられないくらい、低い声で言い放った。
女の子は何も言い返せずに俯く。
「千冬はアンタみたいなブスじゃなくて、私みたいに可愛い子が好きなの。わかったら二度と来ないでね?」
エルさんは優雅にほほ笑むと、立ち去ろうとする。
しかし、ずっと俯いていた女の子が顔をあげてキッとエルさんを睨みつけた。
「何でこんなことするの!?エルちゃんなんて大っ嫌い!!」
暴力を振らなかったのは賢い選択だ。
エルさんがどう出るか伺っていると…
急に泣き出した。は?
声があまりに大きくて、バイクを停めてある場所までその声が届いたみたい。
ぞろぞろと残っていた東卍の人が戻ってきた。
見ていたことがバレないように、私もその中に紛れる。
「どうした、エル?」
「この子が何もっ…してないのにっ…急に悪口を言ってきて…」
「え?私はエルちゃんがっ…!」
「黙れ。エルに謝れ。」
マイキーくんがえるさんを庇うように前に立つ。
鋭い目で見られた女の子は怯え、「ごめんなさい…」と謝った。
女の子の話なんて聞こうともしない。もう、エルさんが絶対なんだ。
人の邪魔するだけじゃない。
自分の株を誰かを悪者にして上げるんだ。
自分が一番じゃないとダメなんだ。
「多分、エルの立場に嫉妬したんだよ。」
「助けてくれてありがと、マイキー」
「っ…!!」
そんな会話までするんだ。
それを聞いた女の子は顔を歪めると、走って行ってしまった。
それを勝ち誇ったような笑みで見送るえるさんには、きっと私以外気付いてない。
ごめん、助けられなくて。
私はその女の子に心の中で謝った。
絶対、私があの子の分まで何とかするから。
今回が初めてじゃないんだろうな。ああいうの。
お兄ちゃん、やっぱ当たってたよ。
____エルさんは、完全に黒だ。
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ミャウン⭐️ - 美人羨ま〜 (2022年4月4日 12時) (レス) @page18 id: e85af83036 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - 作者の好きが集結した作者好みの夢主ちゃんです!まさに!笑 コメントありがとうございます!! (2021年11月23日 12時) (レス) id: 64be1a2e2a (このIDを非表示/違反報告)
橋に生息する桃 - 夢主ちゃんカッケーっすね。もうカッケーとしか言えんです。 (2021年11月23日 12時) (レス) @page36 id: aad490b727 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - 一匹の虎さん» コメントありがとうございます!悪女をこてんぱんにできる作戦があるなら、ぜひとも遭遇してみたいものですね!笑 (2021年11月13日 19時) (レス) id: 64be1a2e2a (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - カルナさん» 本当に申し訳ないんですけど、作者はアニメ勢な上作品の結末はある程度考えてあるので難しいです…。本当にごめんなさい!またいつか天竺メインのも書いてみたいです!笑コメントありがとうございました! (2021年11月13日 19時) (レス) id: 64be1a2e2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょこれーと | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/64be1a2e2a1/
作成日時:2021年9月23日 12時