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6、無自覚人たらし ページ6








『あっ、でも私…恋とかよく分かんないんだよね。』






虚偽である。自覚がないだけである。


友人の恋を応援するなどと言いながら、自分は恋が何かを理解していない。


その事実をヤバいと思ったのか、Aはハッとして言った。







『三ツ谷は…恋とか…好きな人とか出来たことある?』


「…っ!」







ミシンが置いてある机に身を乗り出し、三ツ谷を覗き込むような姿勢でいるA。


図らずとも、必然的に上目遣いとなる。


お巫山戯や、からかい半分で聞いている訳ではなく、至って真剣な顔で聞いている。


Aには友人を助けたいという事しか頭にないという事が分かっているため、三ツ谷は目を逸らす事ができなかった。






「お、俺もよく分かんねぇ…。」






「お前だよ。」なんて言える勇気もあるわけが無い。


三ツ谷は完全に脈ナシだと思っているのだから。


Aは、どうせ俺の事は友達としか思っていなくて、恋などに興味が無い女という認識だ。


まぁ、恋という自覚は無いから半分あっていて半分間違っている。


Aが紅潮している頬に気付く様子もないのが、幸いだろう。






『そっかぁ〜。三ツ谷にも分かんないのかぁ…。』






「どうしよ〜」と項垂れるA。


Aのいつもの言動は、三ツ谷に色々同情できる。


まず始めに、彼女には好きな人特有の緊張や恥ずかしさというものが皆無だ。


当然だ。自覚していないのだから。


だから、部員に的確なアドバイスをする三ツ谷を見て「三ツ谷って優しいよね〜!」と普通に言うし、


妹たちの面倒を見る三ツ谷を見て、「いいお父さんになりそうだよねっ!」とも言うし、


じっーと三ツ谷の顔をガン見して、「やっぱ顔イケメンだよね…。」とも言ってしまう。


三ツ谷がAを好きな理由として、このような直球であることも理由の一つなのだか、心臓に悪いことには変わりない。






「(コイツって無自覚人たらしだよな…。)」






また、自分以外にもこうやって褒めているのかもしれないという不安がいつも付き纏う。


だか、三ツ谷は安心しても良い。


Aが褒めているのは三ツ谷だけだ。


まぁ、恋しているという自覚がないという事実は変わらないのだけれど。






『そろそろ下校時間だよね!一緒に帰ろ!』


「…おう。」






安田さんとぺーやんの恋を応援するという目的がなくても、三ツ谷はAに振り回されているのである。

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ミャウン☆ - 完結!お疲れさまです! (2022年4月5日 11時) (レス) @page50 id: a6f25af2cf (このIDを非表示/違反報告)
ミャウン⭐️ - 萌えますね❗️❗️ (2022年4月4日 12時) (レス) id: e85af83036 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - 真柴白さん» コメントありがとうございます!この2人はくっつくのに時間かかりそうですよね(笑) (2022年2月25日 19時) (レス) id: 64be1a2e2a (このIDを非表示/違反報告)
真柴白 - 良かった…、くっついた。ホッとした…。 (2022年2月16日 1時) (レス) @page50 id: f25714efbe (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - ❄️Snow moon🌙さん» 東リべの中で1番好きなんです…笑 そうなんですよね…ペー安作品が少ないんですよね〜。コメントありがとうございます! (2022年2月1日 11時) (レス) id: 64be1a2e2a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちょこれーと | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/64be1a2e2a1/  
作成日時:2021年10月16日 16時

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