15、好きな理由 ページ15
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「で?いつから好きなんですか!どこが好きなんですか!」
「ちょ、そろそろ人来るから…。」
「1、2年は集会が長引いてるみたいだし、Aさんは委員会の仕事で遅れるから大丈夫ですよ!
そんな理由で逃げないでくださいね?」
「ゔ…」
もうこうなっては、安田さんを止めるすべを三ツ谷は知らなかった。
安田さんにもここで折れる選択肢は無かった。
これはもう、話さなければいけないらしい。
「好きになったのは中学生になって割とすぐ。」
「結構前!」
出来れば、これで満足して欲しかった。
しかし安田さんは「それで?それで?」と興味津々。
理由を話すまで諦めてくれなそうだ。
そして、部員が来る気配も全くない。
「理由…は別に大したことねぇけど。」
「聞きたいです!」
「…分かった。」
三ツ谷は溜息を1つつくと、少しすつ話し始める。
安田さんは真剣な顔でそれに耳を傾けた。
「俺、喧嘩とか勉強とかダチと競うこと多かったんだよ。それなりに負けず嫌いだし。」
「うんうん。」
「でも、俺より勉強できるヤツも喧嘩強いヤツ多くてあんま勝てなかった。」
〔三ツ谷、この前絡まれてたの助けてくれてありがとね!すっごい怖かったけど、あっという間にボコボコにしちゃうんだもん。〕
〔すご、テスト90点だったの?私は80点だったのにぃ〜。流石三ツ谷〜!〕
〔この前、マイキーに喧嘩挑んで負けたけどな。〕
〔凄くねーよ。ドラケンは前のテスト100点だったんだぞ。〕
三ツ谷はそこで目を伏せると、少し笑った。
記憶を思い起こすように、話を続ける。
「で、結構落ち込んでたことあって。そしたら、Aこう言ったんだよ。」
〔どうして自分を褒めてあげないの?
三ツ谷頑張ってたじゃん!
こういうのは前の自分と比べるの!〕
「あと、『三ツ谷だけのいい所、私はいっぱい知ってるよ』って。」
彼女はもう覚えていないだろうが、三ツ谷の中でこの言葉の存在は大きかった。
気が付いたら、彼女の姿を目で追うようになっていて、好きになっていた。
「何かそれでだいぶ楽になった。救われたんだよアイツに。」
彼女は何気なく言った言葉でも、三ツ谷がAを好きになる理由には十分すぎたのだ。
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ミャウン☆ - 完結!お疲れさまです! (2022年4月5日 11時) (レス) @page50 id: a6f25af2cf (このIDを非表示/違反報告)
ミャウン⭐️ - 萌えますね❗️❗️ (2022年4月4日 12時) (レス) id: e85af83036 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - 真柴白さん» コメントありがとうございます!この2人はくっつくのに時間かかりそうですよね(笑) (2022年2月25日 19時) (レス) id: 64be1a2e2a (このIDを非表示/違反報告)
真柴白 - 良かった…、くっついた。ホッとした…。 (2022年2月16日 1時) (レス) @page50 id: f25714efbe (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - ❄️Snow moon🌙さん» 東リべの中で1番好きなんです…笑 そうなんですよね…ペー安作品が少ないんですよね〜。コメントありがとうございます! (2022年2月1日 11時) (レス) id: 64be1a2e2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょこれーと | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/64be1a2e2a1/
作成日時:2021年10月16日 16時