あの娘が憎い

3話 ページ5

私は自分になりに鍛錬してやっとの事で全集中“常中”を会得した。



「姉さんっ！私ね全集中“常中”出来るようになったよ！だから蟲の呼吸を教え…」

『蟲の呼吸を教えて』という前に姉さんが私の言葉を遮った



しのぶ「姉さん姉さん姉さんこの子全然ダメだわ」

また、カナヲさんの事か…



カナエ「うん？」



しのぶ「言われないと何も出来ないの
食事もそうよ？食べなさいって言わなきゃずっと食べない！ずーとお腹を鳴らして！」

なら剣術なんて教えなければいい！
そもそもこんな子を買う必要はなかった



カナエ「あらあら」



しのぶ「こんなんでこの子どうするの？」



カナエ「まぁまぁそんな事言わずに
姉さんはしのぶの笑った顔が好きだなぁ」



しのぶ「グフッ(҂˘̀^˘́)ง
だって自分の頭で考えて行動できない子はダメよ！危ない！」



カナエ「まぁそうなんだけどね」



しのぶ「1人じゃ何も出来ない、決められないのよ！」



カナエ「じゃあ1人のときはこの硬貨を投げて決めたらいいわよ！ねぇカナヲ！」



しのぶ「姉さんっ！」



カナエ「そんなに重く考えなくて良いんじゃない？
カナヲは可愛いものー！」



しのぶ「理屈になってない！」



カナエ「きっかけさえあれば人の心は花開くから大丈夫！いつか好きな男の子でも出来たらカナヲだって変わるわよ！」

そう言いながらカナエ姉さんは表と裏の文字が描かれた硬貨をカナヲさんに差し出した。


姉さん達がカナヲさんに、家事や怪我人の治療を教えてもアオイ達の様に上手く出来ないのにっっ！



どうして！！


どうしてカナヲさんばっかり構うの？


どうして神様は私から両親も姉も奪うの？


どうしてあの子ばかり愛されるの？


どうして私はこんなにも醜いの？


カナヲさんが来てからは私の心は憎悪の感情でいっぱいだ……

4話→←2話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す