愛しのあの子に癒されたい[ドイツ] ページ1
『褒めたり労ったりしてみた』より
仕事でクタクタのドイツさん視点、愛しのあなたに癒されます。
___________________
「ドイツー、ドイツー、見て見てオリガミちょうちょ〜」
「ドイツ、お兄さんこの後デートがあるんだけど、これ頼むわ」
「ドイツ、大体お前は堅すぎるんだよ」
ドイツ、ドイツ、ドイツ!
頭の中でどこからともなく、全方位から俺の名前が呼ばれる。
名前の後には会議に関係のない無駄話や、仕事の押し付け、ありがた迷惑な
どいつもこいつも、俺を何だと思っているのか!
と、ひとり憤ったところで何も変わらない。
いつものことだ、周りに振り回されるのは慣れている、大変不本意だが。
しかし、自分でいうのもなんだが今日は様子がおかしい。いつもなら仕事から帰宅すれば、会議で扱った書類やデータの整理に取り掛かるのに。
今日は一向に手が付かず、こうしてリビングのソファに腰かけぼんやりと...
おかしい!!
この俺が、自他ともに認める真面目堅物男の俺がぼんやりしているなど...しかし、頭ではわかっていても体が動かないのだ。
思い返せば、最近は働きづめだったのかもしれない。頭の中だって気が付けば仕事のことを考えてしまっていた気がする。
ああ、俺としたことが。こんな調子じゃ俺がいつも休めと言っている日本に顔向けできないな...
『隊長、お疲れ様であります』
ふわっ
ふと、やわらかな花の香りがひろがる。
首元があたたかな温度に包まれ、俺の頭をちいさなぬくもりがなでていった。
12人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:しろもち | 作成日時:2024年2月15日 18時