・誓約 ページ42
・
けれど負けるわけにはいかない。
今まさに、里香を奪おうとしているこの男に、真希を、棘をパンダを傷つけ踏みにじったこの男には……
夏油という男に負けることだけは、絶対にあってはならなかった。
憂太が生きていて良いと思えるように。
生きて来て良かったと思えるように。
呪術高専の仲間たちが彩ってくれた日々を、
里香が守り続けてくれたこれまでを、この男の野望に穢させないために。
そのためなら、全てを賭したってかまわない。
里香は死してなお、呪いとなってまで、ずっと憂太の傍に居てくれた。
今この瞬間も、憂太を守り続けてきてくれた。
ならば憂太だって、里香と一緒なら、覚悟を決められる。
「里香」
『なぁに』
「いつも、守ってくれてありがとう。 ……僕を好きになってくれてありがとう」
歪な里香のその顔へと、憂太は愛しさを込めて触れる。
思えば、どうしてずっとそうして来なかったのだろう。
確かに、里香という呪いは人々を傷つけ、憂太を孤独にした。
けれど里香はずっと、ずっと、あの日の約束を守っていてくれた。
ずっと傍で、憂太を守っていてくれた。
真希が、パンダが、棘が、Aが憂太を笑顔にしてくれた。
けれど呪われていなければ、皆との出会いだって無かったはずだ。
一番最初に、里香がいた。
里香がいたから、ここに憂太がいる。
いつだって、里香が憂太を助けてくれた。
「……最期に、もう一度力を貸して」
吐息さえも交じり合いそうな、里香の傍で、憂太は囁く。
「アイツを止めたいんだ。その後はもう、何もいらないから。」
そう言って、憂太は里香へと手を伸ばす。
こんなに傍で触れたことは、きっと里香が生きていた時だって無かった。
後悔なんか、一つもない。
だって今、こんなにも里香が愛おしい。
だから憂太には、もう迷いなんか、何もない。
「僕の未来も、心も、体も、全部里香にあげる。これからは、本当にずっと一緒だよ」
憂太は今、約束を果たす。
誓いの言葉。
誓いの指輪。
そして、最後に必要なこと。
「愛してるよ、里香──」
そっと唇を寄せて、憂太は捧げる。
ありったけの愛と、口づけを。
「───一緒に逝こう?」
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boiled大輪 - キャラ設定はよく作り込まれていていいと思います。設定の章を作るよりも本編のストーリーで夢主の個性を表現できたら良いでしょう。普段絵は描かれますか?もしお描きになっているのなら、ぜひ夢主の設定をイラストで見たいです。頑張って下さい!応援しています! (11月13日 16時) (レス) id: d00f9214d3 (このIDを非表示/違反報告)
boiled大輪 - 結末がよくわからなかった。改行が多すぎた。オリジナリティが薄く、原作のキャラの解像度が低い。CSSが見にくい。他にもっと拘るところがあると思う。もっと名作を読み、文オ力を上げるべきだと思う。おすすめは、太宰治の「人間失格」。 (11月13日 16時) (レス) id: d00f9214d3 (このIDを非表示/違反報告)
boiled大輪 - 端的に申し上げます。結末がよくわからなかった。何がどう狂っているのか、よくわからなかった。改行が多すぎた。オリジナリティが薄く原作のキャラの解像度が低い。CSSが見にくい。他にもっと拘るところがあると思う。もっと名作を読み、文オカを上げるべきだと思う。 (11月13日 16時) (レス) id: d00f9214d3 (このIDを非表示/違反報告)
雑草のかきあげ(プロフ) - シロツメココロさん» 宿儺オチですよぉぉぉぉ!!!!!応援ありがとうございます!!!! (2022年6月6日 16時) (レス) id: 202b153738 (このIDを非表示/違反報告)
シロツメココロ(プロフ) - 宿儺オチだおっしゃぁぁぁぁぁぁ!!!!……ごほんっ。文才の高さに毎話驚かされるばかりです。更新をひっそりと応援してます (2022年6月5日 16時) (レス) id: d24c7f43b6 (このIDを非表示/違反報告)
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