・試練 ページ34
・
無下限呪術のコントロールを可能とする唯一の才能。
最強の破壊力を持つ術式。
そして繊細な操作を可能とする眼。
五条家の歴史の中でも数百年ぶり、“無下限呪術”と
その眼を併せ持って生まれた、特別を宿命づけられた存在。
それが五条悟。
正真正銘、現代最強の呪術師である。
「……」
いくら術式阻害が可能とは言え、溶けるように削られていく縄だけを武器に、
ミゲルはこれからこの最強の男を相手にしなければならない。
防御をしくじれば即アウト。
「……ノルママデ、アト十分強」
それはミゲルにとって、砲弾の嵐に、鉄の盾で立ち向かうような感覚。
呪術を扱う者なら、さっきの攻撃を見ただけで分かる。
敵として五条悟の前に立つのは、絶望と意味が変わらない。
「死ヌ気デ──逃ゲ切ル!」
あと十分。
どんなに必死に立ち回っても、あと十分。
五条相手にあと十分。
その時間はミゲルにとって、無限よりも長い試練に思えた。
「───死ンダラ祟ルゾ!夏油!」
同時刻、新宿某ビル内。
夜蛾の呪骸数体に警護された、その場所は現在、臨時の野戦病院として使われている。
ロビーに用意されたいくつかの簡易ベッドには、負傷した呪術師や補助監督が運び込まれ、治療を待っている状態だった。
そしてそこに、傷ついた者がまた一人。
「家入さん! この子もお願いします!」
新たな負傷者を空きベッドへ運び込んだのは新田。
彼女が連れて来たのは、ぐったりとした補助監督の一人。
意識は無く、呼吸は荒い。
彼女に呼ばれ、呪術高専常勤医師、家入硝子はそちらを一瞥した。
「ん、ソコ寝かせといて」
「ハイっス!」
家入の指示に頷くと、新田はベッドへと寝かせた負傷者に優しく声をかける。
「大丈夫っス、家入さんが治してくれるっスから……よろしくお願いします!」
家入に再度そう言うと、新田は再び駆け出していく。
この状況、戦える呪術師、戦えない補助監督、問わず休める暇もない。
誰もが皆、この新宿で自分にできることを必死に行なっている。
家入はその背を見送り、託された負傷者に視線を落とす。
傷の具合は良くはない。
家入の“反転術式”がなければ相当危なかっただろう。
だが、安心してばかりはいられない。
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boiled大輪 - キャラ設定はよく作り込まれていていいと思います。設定の章を作るよりも本編のストーリーで夢主の個性を表現できたら良いでしょう。普段絵は描かれますか?もしお描きになっているのなら、ぜひ夢主の設定をイラストで見たいです。頑張って下さい!応援しています! (11月13日 16時) (レス) id: d00f9214d3 (このIDを非表示/違反報告)
boiled大輪 - 結末がよくわからなかった。改行が多すぎた。オリジナリティが薄く、原作のキャラの解像度が低い。CSSが見にくい。他にもっと拘るところがあると思う。もっと名作を読み、文オ力を上げるべきだと思う。おすすめは、太宰治の「人間失格」。 (11月13日 16時) (レス) id: d00f9214d3 (このIDを非表示/違反報告)
boiled大輪 - 端的に申し上げます。結末がよくわからなかった。何がどう狂っているのか、よくわからなかった。改行が多すぎた。オリジナリティが薄く原作のキャラの解像度が低い。CSSが見にくい。他にもっと拘るところがあると思う。もっと名作を読み、文オカを上げるべきだと思う。 (11月13日 16時) (レス) id: d00f9214d3 (このIDを非表示/違反報告)
雑草のかきあげ(プロフ) - シロツメココロさん» 宿儺オチですよぉぉぉぉ!!!!!応援ありがとうございます!!!! (2022年6月6日 16時) (レス) id: 202b153738 (このIDを非表示/違反報告)
シロツメココロ(プロフ) - 宿儺オチだおっしゃぁぁぁぁぁぁ!!!!……ごほんっ。文才の高さに毎話驚かされるばかりです。更新をひっそりと応援してます (2022年6月5日 16時) (レス) id: d24c7f43b6 (このIDを非表示/違反報告)
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