・善悪 ページ31
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同時刻、新宿付近。
ボールペン街と呼ばれるそのあたりには、伊地知とAがいた。
仰ぐ頭上、店の看板に吊るされて、縛り首になっているのは同僚たる補助監督たち。
その中にはAの見知った補助監督たちも数人いた。
振り返れば、下手人と思われる呪詛師たちがいる。
見るからに、若い。
「君達、歳は?」
「十五ぉ〜〜」
答えたのは、お団子頭で女子高生らしき風貌の呪詛師、菜々子。
そして横に並ぶ、縄で首を括られた人形を持つ黒髪の呪詛師、美々子。
「まだ学生ではありませんか」
それは普段伊地知が補助監督としてサポートし、見守っている高専生徒たちと変わらぬ年齢。
それは普段、Aが可愛がる後輩と変わらない年齢。
だから伊地知は、Aは、大人としての言葉を述べる。
「今ならまだ引き返せます。善悪の区別もついてないでしょう」
だが、大人の正論は、時には正しくない世界で生きてきた子供たちには届かない。
「カッチ〜ン。美々子ぉ、アイツ ゲロムカつかねェ?」
「吊るす? 菜々子」
「アンタらは知らねぇだろ?
地図にも載ってねー様なクソ田舎で、呪術師がどういう扱いを受けているか____」
人間の社会で、呪術師の生きられる世界はあまりに狭い。
菜々子も美々子も、子供のころから人とは思えぬ扱いを受けてきた。
彼女らに手を差し伸べたのは、夏油だけだ。
でも、Aは其れを知っていた。
否、知ったのだ。
「...知っている。」
「はァ?」
「傑が高専を離反した日、私は傑と一緒に遊ぶ約束をしてた。でも帰ってこなかった。」
だから、彼女は五条の力を借りて、調べた。
当時のことを辿り着いた結果がこれだった。
「じゃあ、貴方たちは知っているの?
運悪く御三家に生まれて、たまたま豊富な呪力と強い術式で分家の子なのに
本家の人間として育てられて、その妬みで陰で暴力を振るわれて、
自分には兄以外の後ろ盾が何もなくて、
雄くんも死んで、傑は離反して、みんなみんな変わっちゃって、
高専に入学したときから何人かいた四年生は今は私一人だけ。
じゃあその辛さも、痛みも、貴方たちには分かるの?」
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投票の結果、僅差でオチは宿儺になりました。
ご投票ありがとうございました。
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boiled大輪 - キャラ設定はよく作り込まれていていいと思います。設定の章を作るよりも本編のストーリーで夢主の個性を表現できたら良いでしょう。普段絵は描かれますか?もしお描きになっているのなら、ぜひ夢主の設定をイラストで見たいです。頑張って下さい!応援しています! (11月13日 16時) (レス) id: d00f9214d3 (このIDを非表示/違反報告)
boiled大輪 - 結末がよくわからなかった。改行が多すぎた。オリジナリティが薄く、原作のキャラの解像度が低い。CSSが見にくい。他にもっと拘るところがあると思う。もっと名作を読み、文オ力を上げるべきだと思う。おすすめは、太宰治の「人間失格」。 (11月13日 16時) (レス) id: d00f9214d3 (このIDを非表示/違反報告)
boiled大輪 - 端的に申し上げます。結末がよくわからなかった。何がどう狂っているのか、よくわからなかった。改行が多すぎた。オリジナリティが薄く原作のキャラの解像度が低い。CSSが見にくい。他にもっと拘るところがあると思う。もっと名作を読み、文オカを上げるべきだと思う。 (11月13日 16時) (レス) id: d00f9214d3 (このIDを非表示/違反報告)
雑草のかきあげ(プロフ) - シロツメココロさん» 宿儺オチですよぉぉぉぉ!!!!!応援ありがとうございます!!!! (2022年6月6日 16時) (レス) id: 202b153738 (このIDを非表示/違反報告)
シロツメココロ(プロフ) - 宿儺オチだおっしゃぁぁぁぁぁぁ!!!!……ごほんっ。文才の高さに毎話驚かされるばかりです。更新をひっそりと応援してます (2022年6月5日 16時) (レス) id: d24c7f43b6 (このIDを非表示/違反報告)
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