車酔いにご注意を htrn ページ46
「それじゃあ、実際に動かしてみようか。まずシート位置を調節しよう。目安は、ブレーキペダルを思いっきり踏んだときに、膝が少し曲がる程度だよ」
「は、はい…」
教官に言われたとおりにする。正直それどころじゃ無かった。何故なら今担当している教官は、イケメンと名高い人だったからだ。
同じ自動車学校に通うクラスメイトも、��イケメンすぎて信号を突っ切るとこだった��と豪語していた。
とんでもない事を言っているクラスメイトに最初は半信半疑だったが入校してみればこの通り。
ここが人気なのも頷ける。
「次にハンドルの位置を合わせて。両手を伸ばしきったときに、手首がハンドルの上部と同じ位置になるように。うん、そう」
狭い空間に教官と二人きり。これをクラスメイトに話したら殺されるのではないか。最後にイケメンを拝めるなら本望だけど。
「じゃあ、ルームミラーを合わせて」
チラリとルームミラーを見れば、鏡越しで目が合う。
暫く見つめあい、教官の微笑みで一発KOした私は目を逸らした。
「…緊張してる？」
「ひぇっ、あ、はい…怖いです」
「大丈夫、僕も優しく丁寧に教えるから」
「あ、ありがとうございます…」
思わず教官を前に項垂れる。
車を運転するのは確かに怖いけど、別の理由がある。
(貴方がカッコ良すぎるんです！！！)
顔も良くて人柄もいいとか何？殺す気ですか？
相変わらずニコニコとした表情で何も分かってない教官。なんでもないです、と言って教官の説明を聞いた。
教官は説明が上手く、理解力のない私でも頭にスッと入る。運転は自分が思った以上に上手くいった。
「お疲れ様。今日はこれくらいにしよっか。S字とか坂の練習もしなきゃね」
「が、頑張ります…」
「顔色悪いけど大丈夫？もしかして車酔いでもした？」
「ちょっと、気持ち悪いかもしれません…」
「そりゃ大変。医務室行こっか。」
助手席を降りて運転席のドアへ回ってきた教官は、ドアを開けて私の手を掴んだ。
意外と強引な面にドキドキしながら、そしてさりげなく手を繋いでくれる教官に私の頭はクラクラしそうだった。
(これは車酔いとかじゃなくて単純に＿＿)
教官に酔ってるな……
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できるニート(プロフ) - 真由さん» ホントですか！そのコメントだけでも励みになります！更新頑張ります (2020年12月25日 12時) (
レス) id: ffbcb8a332 (このIDを非表示/違反報告)
真由(プロフ) - 初コメ失礼します...！最新話が鬼っほど大好きです...解釈一致が凄いです...ありがとうございます...！！！ (2020年12月25日 11時) (レス) id: 045f50c8f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：できるニート | 作成日時：2019年9月1日 14時
