聡明が仇となる htrn ページ31
前置き長いです
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妃が産んだ子供が亡くなったと訃報が入ったのは、ついさっきの事だった。
やっと三歳を迎えたばかりだと言うのに、そのまま大人になる事なく逝ってしまった。
妃は慟哭の声を上げて部屋に閉じこもってしまった。女嬬たちは何とか妃を部屋から連れ出そうと馬鹿みたいに必死だった。子供を失った悲しさと、天皇に見向きもされない辛さが余計に妃を襲ったのだろう。
雑仕の私には関係の無い話、と口を零せば殺されるが、本当にその件について私は無頓着だった。
妃に意味もなく嫌われていたからというのがその理由の一つなのかもしれない。
嗣子が亡くなった事と妃の憔悴っぷりは後宮を慌しくさせた。宮廷の方でもそれは伝わったらしく、どこもかしこも煩かった。
「ねぇ、これから私たちどうなるのかな」
同僚がそう耳元で聞いてきた。雑仕の私たちは便所、浴室、玄関の清掃、妃の衣服の洗濯などを担当しているだけであって、直接的な関わりは少ない。
「…皇后様が御逝去されない限り、今まで通りだと思うけど」
そう素直に答えれば��やめてよ縁起でもない事を！��と強く叩かれた。
とはいえ私は妃に使える身。無慈悲にも見捨てる訳にもいかず、嗣子が亡くなった原因を突き止めなければならない。
直前まで元気だった嗣子は、朝餉を口にしてから容態が可笑しくなったという。
(どう考えても朝餉に毒を盛られたか、元々毒を含む食材が入っていたかのどちらかだろうけど)
後宮の玄関の清掃をしながらそんな事を考えていれば不意に気配を感じた。
殺意と焦り、どちらも含まれた感情。
背筋が凍るような視線に、私は思わず振り返った。
「ひとらん様…？」
無垢を思わせる白の羽織り。妃の兄に当たるひとらん様。後宮は男子禁制だが血縁者となれば話は別だ。
「皇后様の容態はよくありません。どうか、一度対面して上げて下さい」
頭を下げ心にも思ってない事を告げる。こうでもしなければ生きていけないのだ、この世は。
「勿論、そのつもりだよ」
そう呟いてひとらん様は私の腕を掴んだ。
「君は聡明な人物だと妹が言っていた。今回のこと、君なりにどう考えているか、是非とも教えてくれないかな」
「皇后様が…？」
絶対嘘だ。あの人は私を完全に嫌っている。何度無視をされて嫌がらせを受けたか。
兄の前では猫を被ることしか出来ない、可哀想な方だ。
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できるニート(プロフ) - 真由さん» ホントですか！そのコメントだけでも励みになります！更新頑張ります (2020年12月25日 12時) (
レス) id: ffbcb8a332 (このIDを非表示/違反報告)
真由(プロフ) - 初コメ失礼します...！最新話が鬼っほど大好きです...解釈一致が凄いです...ありがとうございます...！！！ (2020年12月25日 11時) (レス) id: 045f50c8f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：できるニート | 作成日時：2019年9月1日 14時
