猫が二匹。 htrn ページ12
四時くらいの涼しい時間帯に洗濯物を取り込むのが我が家の日課だ。
バスタオルを取り込んでいれば、"ニャー"という可愛らしい声が聞こえる。
声のした方を見れば、そこにはキジトラの猫が眠たそうな顔で私の方を見ていた。
「あ、猫。てかめっちゃ可愛いんですけど」
アパートの二階に住んでいるから直接猫の元には行けないが、上から眺めるだけでも随分癒しになる。
ちょうど日向になる上に、天敵もあまり来ない絶好の場所だったのだろう。気持ち良さそうに寝転んでいる。
「ひとらん、来て。下に猫いる」
テレビを見ているだろうひとらんにそう言えば、彼は目をキラキラさせて此方に来てくれた。
「どこ？」
「ほら、そこ。キジトラの」
「あ、ホントだ」
ひとらんが顔を覗かせると、それに応じるかのようにまた"ニャー"と鳴く。この子は鳴き声も可愛い。
「すっごい可愛いね。猫飼いたいけどアパートだしなぁ…」
「いつか家建てて、猫飼おう？」
「そうだね。俺、仕事頑張らなきゃ」
「ひとらんはいつも頑張ってくれてるよ」
「Aだって頑張ってるよ」
カァーカァーと烏たちの鳴き声も聞く耳を持たず、猫を眺める。明日が仕事という事実も猫は忘れさせてくれた。
「……でも、猫は既にいるからいっか」
「え？いるの？」
「いるよ？ここに」
頭を優しく撫でられ、ひとらんが言っている猫の正体が私だということに気付く。
「今日は外食しよっか。久々に二人とも仕事休みだし」
「…うん。そうだね」
大きな欠伸をしてまた一声鳴いたキジトラは、今度は夢の世界に入っていった。
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できるニート(プロフ) - 真由さん» ホントですか！そのコメントだけでも励みになります！更新頑張ります (2020年12月25日 12時) (
レス) id: ffbcb8a332 (このIDを非表示/違反報告)
真由(プロフ) - 初コメ失礼します...！最新話が鬼っほど大好きです...解釈一致が凄いです...ありがとうございます...！！！ (2020年12月25日 11時) (レス) id: 045f50c8f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：できるニート | 作成日時：2019年9月1日 14時
