スローライフ zm ページ49
もくもくと立つ湯気は眼鏡を曇らせていく。肩にまで伸びた髪を耳にかけ、割り箸で麺をとらえる。
味のついた麺を口に入れれば、私の大好きな味が口内を占めた。
「美味しい…」
「せやろ？ずっと連れてきたかったんよ」
満足そうに言うこの男＿＿ゾムは皿に溢れた麺を軽く啜った。
仕事帰り、食べにいこうと誘われて私は「食害の被害者になりたくないからパス」と拒否した。だがゾムの「奢るから」という言葉に負け、ラーメン屋に来たわけだが。
本当にここのラーメンは最高だ。豚骨ラーメンを専門に扱っているが、この味はいつ食べても飽きないだろう。
自分で薬味や焼豚の数、麺の硬さなどを指定出来るなんて。
「なんでもっと早く教えてくれなかったの」
「んなこと言われてもなぁ。お互い、仕事が立て込んでたやろ？かといって早く帰れる日もなかったし」
「ふーん。まぁ、私たちの会社はプレミアムフライデーなんて概念、眼中にないだろうからね…」
「ブラックやわぁ…」
また一口。麺を啜る。
ずっと食べていたい。そんな欲求に駆られていれば。
「…ん？」
突然視界がぼやけた。何事かと思いゾムを見れば、僅かだがゾムが眼鏡を持っているのが見えた。
「ちょ、返してよ。ちゃんと視力悪いんだから」
「A、絶対コンタクトの方が似合うで。次からコンタクトな」
「はぁ？やだよ、面倒。それに、コンタクトって怖いじゃん。目に異物入れるんだよ？」
「入れるのが怖いなら慣れるまでやればいいやろ」
「他人事だね」
ゾムは独特な笑いを零し、ラーメンを食べる事に集中し始めた。私も麺が伸びる前にと、急いでラーメンを食した。
「御馳走様。また連れてってよ」
「次はAの奢りな」
「忘れてなければね」
ヒラヒラとゾムに手を振れば、ゾムも手を振り返す。
「…土日出勤。ゴールデンウィークも無し」
小さくそう呟いたゾムに、私は「うっ」と言って其方を見る。
「折角幸せな世界に浸ってたのに、雰囲気ぶち壊すような事言わないでくれる？」
「定時で帰って、またここで食べよーな」
「……幸せです」
いつの日かゾムと、スローライフを送りたいものだ。
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未来(プロフ) - 初めましてぴくんとグルなんちゃらに性癖ぶち抜かれました (2019年5月22日 23時) (
レス) id: a2cb6e73c5 (このIDを非表示/違反報告)
うえちゃん(プロフ) - クズ先生好きなんじゃあ.....(^q^) (2019年5月9日 20時) (レス) id: 19511bfef8 (このIDを非表示/違反報告)
つらら@ちゃげっ娘。(プロフ) - すっごい面白いです！どの話も凝ってて読んでて楽しかったです！リクエストしていいですか？今までにないくらいのクズっぷり発揮してる大先生が見たいです！地雷に触れるなら嫉妬しょっぴくん可愛かったんで嫉妬大丈夫お願いします！ (2019年5月9日 3時) (レス) id: 9e136fef77 (このIDを非表示/違反報告)
レノ(プロフ) - エミさんの話めちゃくちゃ良かったです！その文才分けて欲しいですwまたまたリクエストになるんですが嫉妬ショッピ君とキス魔ロボロをお願いしたいです！ (2019年5月6日 23時) (レス) id: cf5e9d323f (このIDを非表示/違反報告)
レノ(プロフ) - リクエストに答えていたたぎありがとうございます！連続リクエストになりますが夢主を慰めるエミさんをお願いいたします！ (2019年5月5日 23時) (レス) id: cf5e9d323f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：できるニート | 作成日時：2019年5月3日 21時
