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side You







『ちょっと、いつまで繋いでんの。(笑)』


桃「え、ずっと?」


『そういう関係じゃないんやからさ』


桃「そっ、か。」









やっと離してくれた手は



お互い、寂しく静かに揺れていた。









のんに、そんな感情あるわけない。





ずっと一緒に育ってきたあたしを、そういう目で見れないよ。








桃「A、日曜日とか空いてへんの?」


『あー、にいちゃんと出かけるねん。』


桃「ふはっ、ほんま仲ええな?にいちゃん、大好きやろ」


『…うん。大好き、かな。

あんなにいちゃん、なかなかおらんもん。

にいちゃんも大変やのに、こんなに、わたしの面倒みてくれてさ。』









さすがやわ〜なんて笑うのん。







ひたすらタピオカを吸い続ける横顔。


改めて見ると、かっこいいなー。ってちょっと惚れそうになる。









桃「え、なに?」


『ふふっ、いや、かっこいいなー。って』


桃「ぇっ、は?やめてや。」


『照れてんの?』


桃「照れるわ、Aに言われたら。」









耳真っ赤にして、下を向くのん。




やけどすぐ、パチン、てほっぺを叩いて立ち上がった。









桃「あかんあかん。また、大毅くん心配してまうな。」


『そうやな。次、いつにする?』


桃「来週、いい?行きたいとこあるねん。」


『いいよ。どこ?』


桃「ふふっ、秘密。」









マンションのエントランスで




はよ行け。いや、のんが先行って

なんて言い合いして、結局のんに見送られながら、エレベーターに乗り込んだ。







桃「あっ、そうや!」


『えっ、なに!』







エレベーターが閉まる途中で言うもんやから、慌てて"開く"ボタンを連打した。









桃「ごめんごめん。これ、お土産。」


『なんの?』


桃「今日の。(笑) 使ってや」


『ありがと。』









今度こそ、エレベーターが閉じて


動き出した。








『わっ、かわいい。』






赤い薔薇のモチーフのネックレスが


箱の中に佇んでいた。








***

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作者名:ゆりりんご | 作成日時:2019年8月15日 9時

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