俺に関わってくれた人へ。 (ページ29)

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side Akito

赤「っ、オトン」

問題を問いとった手を止めて、顔を上げる大毅。

流星は調子が悪いんか、点滴をして、眠っとった。

橙「会いたくないって言うてんて～？」

赤「聞いたん、？」

俺が暗くなっても、ただ空気が重くなるだけやから。

出来るだけ明るく、話を切り出した。

橙「康二くん、僕、なんかしましたかぁ？言うてたで(笑)」

赤「……。」

橙「オトンは、大毅も康二くんも、悪ないと思う」

起こしたベッドによりかかって、ふぅ…と下を向いた。

赤「康二が、羨ましくなってもうてなぁ…」

橙「羨ましい？」

赤「学校そない楽しくない、しんどいって、俺に気ぃ使って言うてくれてるんやって、分かってんねんけど」

お見舞いで貰った、"Daiki"と彫ってあるシャーペンを眺めながら、苦笑いしながら続けた。

赤「それって、学校行ってる奴しか分からんやん。」

橙「そう…やな」

赤「そういう奴が、高校も、受かってくんやろなぁって。こんな長い間休んどる俺なんやなくてさ。
そんなこと思っとるのに、あいつに会われへんやん」

確かに、遅れをとっとることは事実やし

絶対受かるで！なんて無神経なことは言われへんかったけど。

でも、康二くんだけは、絶対大毅を置いてけぼりにはせぇへんやろな。と確信しててんな。

橙「大毅、１個だけ言わせてや」

赤「…え？」

橙「康二くん、"大毅に嫌われても、絶対同じ高校行きますからっ"やって。」

また明日な、と頭をポンポンして病室を出た。

赤「康二…ｯ」

大毅には言わんかったけど、こっそり泣いとったの、オトンは聞き逃さへんかったで。

黄「大毅、ええ友達もったな」

橙「そやなぁ、」

次の日から、大毅は"合格"なんて壁に貼って

副作用でほんまにあかん時以外、ずっとシャーペンを握り続けた。