俺に関わってくれた人へ。 (ページ12)

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side Akito

大毅が入院して３日が経った日曜日。

抗がん剤治療が始まった。

看「大毅くん、気分は大丈夫？」

赤「えっ、よゆーや、よゆー。(笑)」

ヘラヘラと笑う大毅の中に、一滴一滴、薬が入っていく。

どうしても動き回りたい大毅にとったら、ずっと横になっとるのが１番キツかったみたい。

赤「トモー、ちょっ、なんかおもろい話ししてやー。」

緑「…いや、無茶振りやろ(笑)」

望は、実家でお留守番。

２人の平和な様子を見とったら、淳太くんが、やたらイケメンな男の子を連れてやってきた。

この子が、最後までずーっと大毅を支えてくれる大きな存在になるねんな。

赤「よお、くちびる！」

黄「やかましいわ。大毅、具合はどうや」

赤「ふつー。」

急にくちびる！とか言うから、オトンびっくりしたで？

話を聞けば、淳太くんは大毅を気遣って、回診やない時も、大毅のところに来てくれてたらしい。

赤「…その、イケメンは？(笑)」

黄「あ、藤井流星くん。今日から、大毅と同じ部屋やで。な？」

青「…あっ、うん。藤井流星です。」

なんかぼけーっとしてる子ていう印象やったな。

入ってくる時も、自分の点滴のスタンドにつまずきそうになっとったし。

赤「流星…Ｂ型やろ？」

青「えっ、そやで。なんで分かるん？」

赤「なんかもう、そういうオーラやで。(笑)」

あっという間に打ち解けた２人を見たら、きっと、よき理解者になるんやろうな。と確信できた。

弟たちもすっかり流星と仲良くなって、まるで兄弟みたいに、アホらしい会話で盛り上がっとったな。

黄「照史、ちょっとええか？」

橙「うん」

子どもたちを残して、廊下に出ると

淳太くんとは少し違った白衣を着た人が、微笑みながら窓の外を見て黄昏ていた。

黄「おい濱ちゃん、(笑) なに黄昏てんねん。」

紫「…え？ええ天気やなーと思って(笑)」

淳太くんが、照史やで。と紹介すると、俺の方へ向き直った。

黄「こちらは…濱ちゃん。」

橙「はまｯ濱ちゃん…？」

紫「えーっと、濱ちゃんです。ここで、心理カウンセラーしてます。」

黄「本名は、濱田崇裕な。(笑)」

何か心配なことがあったら、いつでも言うてください。となんとも心強い言葉をかけてくれた。

濱ちゃんは、大毅も含め、家族全員がお世話になる

大切な人や。