40 悩める出会い。 ページ10
side.S
「へぇ〜それでそんなに嬉しそうなんだ」
そう言って目の前に座るヤツは残り少ないジュースを吸い込む。
コイツは俺と和が付き合っている事を唯一知っている友達の湊。
「何それ」
「いやいや…ラブラブだなぁと思ってさ」
「馬鹿にしてるし」
学校は違うんだけど、
なんて言うのかな昔からの腐れ縁ってやつ？
昔はよく２人で一緒に遊び回ったもんだ。
まさかその湊にこんな相談してるなんて、
思いもしなかったけど。
「で遊園地まで連れて行ってくれる彼に何の不満があるわけよ、翔は」
否、不満って言うか…
そんなの不満は1ミリも無いんだけど。
「ん……何か…分かんないけど、あるんだよ」
不満じゃない。
ただ違和感っていうか。
なんか和らしくないんだよなぁ、最近。
「翔は昔から深く考えすぎなんだよ。
少しは肩の力抜けって。二宮くんもビックリすんじゃね？今の翔みたら」
「なんで湊にそんなこと言われなきゃなんねぇんだよ」
「これでも一応お前の幼馴染だし。
まぁ……たまには俺の言うことを信じてみろっての」
湊の言うことを信じてないこともないが、それで安心出来たら相談はしてないんだけど。
「次こそは二宮くんに会わせてよね」
そうなんです。
湊は和に一度会ったことないんだよな。
それで相談するって俺もどうかしてるか。
「あぁ。また今度な」
まぁ曖昧な答えだったけど、仕方ない。
湊は良くても和が会ってくれるかどうか分かんないし、下手なことは言えない。
じゃあ、と喫茶店から出て近くをぶらぶらと歩く。
せっかく遊園地に行くんだしと近くの書店に入り、遊園地の周辺のガイドブックを手に取る。
ハンバーグ好きだしな。
どっか美味しい店とか近くにないかな。
パラパラとページをめくる手を止める。
「……あった。和、喜びそうだな」
いかにも和が好きそうな店だった。
雰囲気も固くなさそうだし、これなら大丈夫だろう。
気に入った店を頭に記憶し、店を出る。
「おっ、」
その時、誰かと肩がぶつかった。
「すいません！ｯ……えｯ？」
慌てて振り返る。
「ごめんなさい。いきなりぶつかってしまって。
お怪我ありませんか？
＿＿櫻井先輩。」
白いワンピースを纏いこちらを振り返った女性は悲しそうな顔をして俺を見つめていた。
「……宮本さん？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 303人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
未翔(プロフ) - 櫻華さん» 感想、ありがとうございます！更新はスローペースとなるかもしれませんが、出来る限りしたいと思っておりますのでこれからも宜しくお願いします。 (2019年3月9日 23時) (
レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
櫻華(プロフ) - 移行、おめでとうございます。駆け足になってしまいましたが拝読しました。2人の…特に翔さんの心のうちに何があったのか気になります。それを知っての二宮さんの行動も今からドキドキしています^^* (2019年3月9日 23時) (レス) id: 643a141105 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：未翔
| 作成日時：2019年3月9日 20時
