33 友達の在り方。 ページ3
side.S
一目惚れだったんだ。
もちろんいきなり名前を呼ばれた時は驚いた。
まぁ誰だって初対面の人にフルネームでしかもあのトーンで呼ばれちゃビックリするでしょ？
それでも静かにして欲しいとか話しかけないで欲しいという想いは全くなかった。
振り返れば、なんて言うんだろ？
もうただただ可愛い顔。
ずっと見ていられる。
そう思った。
和はその可愛い顔からは想像も出来ない程強気で俺にきた。
何だか俺には、それすらも可愛いと思えた。
「翔ちゃん。」
和がそう呼ぶ度に、俺の胸はドクドクと跳ね上がる。
嬉しくて、嬉しくて。
この気持ちが何なのかなんて直ぐに分かった。
好き。
俺は和が好きなんだ。
「櫻井先輩。」
部活を終えて更衣室を出て俺を呼び止めたのは、見知らぬ女子生徒だった。
学年章からして入って来たばかりの一年だろう。
「ん？どうかした？
っていうか君、名前は？」
「あっ、すいません。一年の宮本です。
少し、いいですか？」
何の用かは検討も付かないが断る理由もない。
二つ返事で快諾すると、
彼女は柔らかく微笑んで話し始めた。
「櫻井先輩って二宮先輩と同じクラスですよね？」
「そうだけど、それがどうかした？」
何の話かと思えば和の話か。
「二宮先輩って誰かと付き合ってたりしてますか？」
「……へ？」
何でそんな事を俺に聞くのだろう。
和本人に直接聞けばいい。
でも女子なんてそういうものなのだろう。
「俺は聞いた事ないけどな…
今度本人に直接聞いてみるといいよ。」
「そうですか、、
ありがとうございました！」
彼女は俺が聞いた事ないというのを聞いて嬉しそうに俺に頭を下げた。
でも俺は何だか悪い予感しかしなかった。
どうしてだろう。
胸が苦しいのは。
ざわめきが止まらないのは。
和。
和はあの子のことを好きになるのかな？
それとも、もう好き？
「和ーごめん、お待たせ。」
「お疲れ、翔ちゃん。行きましょ！」
教室に戻れば和が俺を待っていてくれる。
二人で居る時間はいつも俺の部活が終わってからだからそんなに長くはない。
それでも二人でくだらない話をしたり、ファミレスで食べる夜ご飯は俺にとっては何よりも楽しい時間だ。
「翔ちゃん、あの…」
「ん？どした、和？」
和らしくない躊躇い。
「…今度…うちに遊びに来てよ。」
「うん。楽しみにしてる。」
これは俺の心からの想いだった。
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未翔(プロフ) - 櫻華さん» 感想、ありがとうございます！更新はスローペースとなるかもしれませんが、出来る限りしたいと思っておりますのでこれからも宜しくお願いします。 (2019年3月9日 23時) (
レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
櫻華(プロフ) - 移行、おめでとうございます。駆け足になってしまいましたが拝読しました。2人の…特に翔さんの心のうちに何があったのか気になります。それを知っての二宮さんの行動も今からドキドキしています^^* (2019年3月9日 23時) (レス) id: 643a141105 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未翔 | 作成日時：2019年3月9日 20時
