44 不安と決意に涙。 ページ14
side.N
やっぱり、暑いなぁ。
まだまだ夏は先のはずなのに自販機でかったペットボトルがこんなにも気持ちいいものかと実感する。
冷たいペットボトルを持ち、翔ちゃんが座っているベンチまで走る。
翔ちゃんは物凄い速さで上を通り過ぎるジェットコースターを目で追いかけている。
お待たせ、と声を掛けようとしたが
翔ちゃんの横顔がとても寂しそうに見えて声を掛けるのを躊躇した。
最近、翔ちゃんはよくあの表情になる。
どこか寂しそうに何かを考えている。
そして俺に余り触れなくなった。
まぁ翔ちゃんは余りスキンシップは多い方ではなかったし、寧ろいつも俺からだった。
でも寂しい時は俺に甘えてくれていた。
なのに、最近はそれもないどころか、避けられているような気がするんだ。
だからこそ、俺も不安になる
「しょーちゃん」
どうかした？と振り返ったその顔はやはり浮かない表情でその後が続かない。
楽しめていないのか。
そう思うも今日はどうしてもやらなければいけないことがあるんだ。
だから、、
「あれ乗ろうよ！」
「えー俺、あぁいうのダメなんだよ〜」
「大丈夫。俺も一緒に乗るんだから」
俺が指さしたのは観覧車。
翔ちゃんは専ら高い所は苦手なんだけど、どうしても今日は乗ってもらわないの困る。
「ねぇ和、何で観覧車なの？俺、高いとこは…」
「分かってますよ。でも今日だけですから」
案の定、拗ねてるわけですけど、
まぁそんな顔されたって可愛いだけなんですから。
「次の方、乗ってくださーい」
係の人の声に俺は翔ちゃんの手を引っ張って観覧車に乗る。
「あっ、もう和〜」
高い、怖いと喚きながら俺の手を掴んで離さないこの人。
「ビビってますね、櫻井さん」
「ｯ…ビビってねぇーし！」
「んふふ」
「翔ちゃん」
「なに？」
「大好きです。
俺は翔ちゃんのこと本気で愛してます。
これからもずっと傍に居てください。」
そう言い終わるのと同時に指輪を差し出す。
「えｯ……」
驚いている翔ちゃんを他所に俺の心臓は暴れまくっている。
「和……いいのかな俺。」
「え、？」
「嬉しい！」
「俺も和とずっと一緒に居たい。
ほんとに思ってる。ずっと、ずっと…」
「翔ちゃん！」
嬉しさの余り隣に座る翔ちゃんを抱き締める。
「綺麗でしょ？観覧車から見る景色」
「そう…だね。綺麗だよ。」
翔ちゃんは涙声でそう言った。
でも俺はその涙の本当の意味を知らなかった。
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未翔(プロフ) - 櫻華さん» 感想、ありがとうございます！更新はスローペースとなるかもしれませんが、出来る限りしたいと思っておりますのでこれからも宜しくお願いします。 (2019年3月9日 23時) (
レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
櫻華(プロフ) - 移行、おめでとうございます。駆け足になってしまいましたが拝読しました。2人の…特に翔さんの心のうちに何があったのか気になります。それを知っての二宮さんの行動も今からドキドキしています^^* (2019年3月9日 23時) (レス) id: 643a141105 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未翔
| 作成日時：2019年3月9日 20時
