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side.S
「翔ちゃんが行かなきゃ、
智にいはずっとあのままだよ？」
雅紀の言葉は誰よりもストレートだった。
俺の反応を見て顔をしかめる辺りは、
心優しい雅紀らしいけれど。
分かっている。
ちゃんと知っている。
智にいがあれ以来、絵を描かなくなったこと。2階にある俺の部屋を和と潤の2人が使うのを、反対したことも。
あの当時、一人部屋を与えられていたのは俺と智にいと雅紀だけだった。
和と潤はまだ小さかったから両親と同じ部屋で寝ていた。まぁそれが今、俺が使っている部屋なんだけど。
そして、絵を描くことが大好きだった智にいが、あれ以来、絵をかいているのを見たことは一度もない。
それに、ウチの家でアイスが禁句になっていることも。雅紀だって潤だって食べたいだろうに、何も言わない。
分かっている。
それが和への優しさだってことも。
でも、そうなった全ての原因は俺にある。
サッカーが出来なくなったのも、字が上手く書けなくなったのも、全部俺の問題だ。
「それは違うよ、翔ちゃん」
「……智にい」
久しぶりに聞いた智にいの声。
思わず顔を上げた。
そこには雅紀の隣で
哀しそうに俺を見つめる智にいがいた。
「翔ちゃんが考えてる事なんて何だって分かるよ。でも、どうしてだろう？あの時は全然分かんなかった。翔ちゃんがどうやったら起きてくれるのか、どれだけ考えても分かんなかった」
智にいの頬を涙が伝う。
そして、俺の頬にも涙が伝っていた。
「もう、止めようよ。翔ちゃん」
「……え？」
「自分に嘘つかないで」
「そうだよ。翔にい。
本当にそれでいいって思ってる？」
雅紀が俺の肩を抱きながら隣に腰掛ける。
智にいの優しい目に見つめられ、誤魔化せなくなった。
「……旅行じゃなくていい。皆んなで5人でアイスが食べたい。それでその時の絵を智にいに描いて欲しい」
雅紀が、智にいが、
笑顔になるのが分かった。
花が咲いたように辺りが明るくなる。
「うん、俺もそうしたい」
「俺も」
「きっと和も潤もそう言うよ」
「そうかな？」
「絶対そう」
キラキラとした2人の目を見ていたら、
本当に久しぶりに外に出たくなった。
あの日、食べることが出来なかったアイスを食べたくなった。
もう一度、あの日から始めよう。
___fin.
かな様。
リクエストありがとうございます！
リクエスト内容を参考に、少し内容等、変更させて頂きました。
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嵐LOVE - こんばんは。こちらの方の更新も待ってます。 (2021年10月7日 21時) (
レス) id: a1f8b535b7 (このIDを非表示/違反報告)
嵐LOVE - リクエストです。リアル設定で相葉ちゃんが便秘になってしまうお話をお願いしたいです！ (2021年9月25日 22時) (レス) id: ee46b7a234 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ - はじめまして！楽しく読ませてもらっています😆潤くんが寝不足と過労で倒れてしまうお話が読んでみたいです！お時間があればよろしくお願いします🙇 (2021年9月25日 19時) (レス) id: 02c62ba3b2 (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - あいさん» ご希望に添えていたのなら幸いです。いつもリクエストをして頂き、また読んで下さってありがとうございます！！ (2021年9月25日 13時) (レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - かなさん» いえいえ、私の力不足というところもありまして。リクエスト通りに出来ず申し訳ありません🙇⋱ (2021年9月25日 13時) (レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未翔
| 作成日時：2021年9月21日 15時
