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『あとさ大ちゃん、やっぱり「双子の涙」は美寿々さんの部屋にあるの？』
『ああ、美寿々さんの話を聞くとその可能性が高いな。去年の年末、美寿々さんの部屋に川奈宛の封筒が届いたらしいんだ。どうせ借金の督促状かなにかだと思って川奈の荷物の中に置いておいたらしい。その中にある可能
性が高いな』
『智さん、その封筒を取りに行かなくていいの？』
『別に焦る必要はないだろう。「双子の涙」を血眼で捜していた奴らはいま、拘置所の中なんだ。臨月の住吉美寿々をわざわざ自宅に連れて行って、その封筒を捜させるのも酷だしな。しっかり元気な子供を出産して、落ち
着いてから捜してもらえばいいだろう。それよりまずは翔くんの容疑の件だ。それは急ぐ必要があるからな』
『……翔くんのポケットに川奈雄太の写真を忍び込ませた男にはやっぱり心当たりがないのか？この事件が解決に向けて動くヒントをくれた男だ。その正体は翔くんの無実を証明するきっかけになるかもしれない』
『すみません、松本先生。ずっと考えているんですが、全然分からないんです』
『そうか……それなら他のアプローチを考えるしかないな』
『お手数おかけしてすみません……』
『なに水臭いこと言ってんの翔ちゃん。仲間なんだから助け合うのは当然じゃんか』
『俺は一方的に助けられてばかりですから。皆さんみたいな特殊な能力もないし……』
イヤホンから響く聞き慣れた声に『先生』は鼻を鳴らす。
特殊な能力がない？
なにを言っているんだか。
あれだけの特別な能力を持った人間が言うと嫌味にしか聞こえない。
その態度は謙虚とも言えるかもしれないが、彼より明らかに実力が劣る身としては癪に障ることもあった。
脳裏に櫻井翔の顔が浮かび『先生』は顔がわずかに緩む。
もはや彼に会うことはないだろう。
それが少し残念な気がした。
ドアノブを引いた『先生』は、わずかに開いた扉の隙間に身を滑り込ませた。
明かりの点いていない室内は暗かった。
『先生』は足元に気をつけながら闇に覆われた短い廊下を進みドアを開ける。
それほど広くないダイニングは、窓から入ってくる街灯の明かりと月光のお陰で、薄暗いながらも視界を保つことができる。
さて、どこから捜そうか？
とりあえずテーブルの上からかな。
『先生』はダイニングを横切り、部屋の奥にある雑誌や郵便物が無造作に置かれたテーブルに近づいた。
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ここここ(プロフ) - はじめまして！！！最近この作品と出会いまして、面白すぎて一気読みしました！読みながら「この人が怪しい、いやあの人も怪しいな…」と推理しながら読みましたが、まだまだ私の推理は稚拙なものでした…笑 続編も楽しみです！ (2021年11月18日 19時) (
レス) @page44 id: 6c5860f770 (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - stormさん» 読んで頂きありがとうございます。続編の方も宜しくお願いします！ (2021年11月12日 12時) (レス) id: 53c29ae25f (このIDを非表示/違反報告)
storm - どうも！とうとう完結か…とfin.の文字に寂しさを感じていた私ですが、続編という文字を見て舞い上がりましたw本当に完成度が高くて、すごくハラハラドキドキさせられる、素晴らしい作品でした。完結までお疲れさまでした！そして続編でもお世話になります！ (2021年11月9日 22時) (レス) @page43 id: 5bdda0872c (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - 彌生さん» 初めまして。読んで頂きありがとうございました。是非、続編でもドキドキを味わって頂けたらと。 (2021年11月9日 16時) (レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - あきらさん» 初めまして。サスペンスが好きなんですね。楽しんで頂けたようで良かったです。 (2021年11月9日 16時) (レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未翔
| 作成日時：2021年9月24日 20時
