第３章−８− ページ27
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『でさ、大ちゃん。古手川さんから何か連絡ないわけ？昨日捕まった３人について』
『３人とも川奈雄太殺害については容疑を否認しているらしい。けれど、証拠はそろっているからそのうち自供しだすはずだって』
『……そうとは限らない。このまま否認する可能性だってあるはずだ』
『相変わらず潤くんって悪い方に悪い方にって考えるよね』
『……それは、俺の主治医である和の治療が不十分だからじゃないか』
『あ、和也さん一本取られちゃいましたね』
『そんなことないよ奈美ちゃん。その気になれば僕は潤くんを物凄くハイテンションにする薬を調合することも出来るんです。けど、潤くんがその治療を断っているんですよ』
『それ、治療って言わないですって……』
『ん？翔ちゃん何か言った？代わりに翔ちゃんが僕特製のスペシャルブレンド向精神薬を飲んでみる？』
『絶対いやです！』
イヤホンで漫才のようなやり取りを聞きなが
ら『先生』は周囲を見回す。
午後11時過ぎ、
団地の階段に人影はなかった。
ドアの鍵穴に２本の細い針金を差し込む。
『けどさ、これからどうするの？あの３人が逮捕されたって、まだ翔ちゃんの容疑が解けたわけじゃないんでしょ？』
『当分はここに匿うことになるな。
翔くん、それでいいだろ？』
『はい、仕方ないですから……』
『お客様用の空いている部屋がありますからそこを使ってくださいね』
『ありがとう、奈美さん』
『けどさ大ちゃん、結局後藤田達に協力していた医者って、やっぱりその三森っていう教授だったわけ？』
『残念だけどその可能性が高いだろうな。あの三人が口を割らない限り確定は出来ないが、三森教授は翔くんを鍋島の部屋に誘い込んでいるからな』
『……翔くんが受けた電話は、間違いなく三森教授からのものだったのか？』
『はい、松本さん。それは間違いないです』
『潤くんさぁ、その三森って教授の居場所とか調べられません？僕がそいつと話せれば、黒幕かどうか一発で分かるんですから』
『色々と当たってはいるけれど、足取りは依然として不明だ』
『もしかしたらもう海外に逃亡している可能性もあるな。だとしたら厄介だ』
海外？
そんな所にはいないよ。
『先生』はほくそ笑みながら指先に神経を集中させた。
軽い手応えを覚えた『先生』は手首を返す。
カチリという錠が外れる音が響いた。
『先生』はラテックス製の医療用手袋をはめた手でドアノブを掴む。
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ここここ(プロフ) - はじめまして！！！最近この作品と出会いまして、面白すぎて一気読みしました！読みながら「この人が怪しい、いやあの人も怪しいな…」と推理しながら読みましたが、まだまだ私の推理は稚拙なものでした…笑 続編も楽しみです！ (2021年11月18日 19時) (
レス) @page44 id: 6c5860f770 (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - stormさん» 読んで頂きありがとうございます。続編の方も宜しくお願いします！ (2021年11月12日 12時) (レス) id: 53c29ae25f (このIDを非表示/違反報告)
storm - どうも！とうとう完結か…とfin.の文字に寂しさを感じていた私ですが、続編という文字を見て舞い上がりましたw本当に完成度が高くて、すごくハラハラドキドキさせられる、素晴らしい作品でした。完結までお疲れさまでした！そして続編でもお世話になります！ (2021年11月9日 22時) (レス) @page43 id: 5bdda0872c (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - 彌生さん» 初めまして。読んで頂きありがとうございました。是非、続編でもドキドキを味わって頂けたらと。 (2021年11月9日 16時) (レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - あきらさん» 初めまして。サスペンスが好きなんですね。楽しんで頂けたようで良かったです。 (2021年11月9日 16時) (レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未翔
| 作成日時：2021年9月24日 20時
