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「翔くんは開腹して治療しようとする。
けれど運が悪いことに夜勤のナースは全ての
事情を知っている人物だった。
腹の傷を見て事情を察したナースは
電話で院長に対応を訊ねる。
焦った院長は、ナースに翔くんを気絶させる
ように指示を出した。その指示通りに行動し
たナースによって翔くんは昏睡し、川奈雄太
は命を落とした」
大野のセリフを聞いた櫻井は、
両手の拳を握りしめた。
「何で俺はなにも覚えていなかったんだ…」
「自分を責めるな。たぶん昏倒している間に
鼻から胃までチューブでも入れられて、アル
コールと睡眠薬のフルニトラゼパムが投与さ
れたんじゃないか。それらを投与されたら前
向性健忘が起こる。つまり、気を失う前のこ
とを忘れてしまうんだ」
「そんなことまで……」
大野の説明に櫻井は絶句する。
「もし麻薬の密輸に協力していたなんてしれ
たら身の破滅だからな、どんなことでもする
さ。……本当にどんなことでもな」
大野の表情に暗い影がさす。
「待って待って、その勝本病院で死んだはず
の川奈雄太が、なんでバラバラにされて埋め
られていたんですか？」
二宮は頭痛でもするかのように
顔をしかめる。
「そんな状況で死んだりすれば、当然遺体は
調べられるだろ。もし行政解剖でもされよう
ものなら、麻薬が見つかるかもしれない。
だからこそ患者の入れ替えを行う必要があっ
た。翔くんを前向性健忘にさせたのも、患者
が入れ替わっていることに気づかせないため
だ。そして、川奈雄太の遺体は後藤田貿易の
奴らに渡して処理してもらった」
「あのサングラスの男達……鍋島達だね」
雅紀の言葉に大野は頷く。
「そうだ、そして男達は遺体を処理する前に
腹の中から麻薬を取り出そうとする。そのた
めに、奴らは遺体を切断した。そして、もし
遺体が見つかっても、腹の中を探ったという
ことに気づかれないようにするために、全身
をバラバラにして埋めたんだ」
話し疲れたのか、大野は大きく息を吐いた。
バーに重苦しい空気が満ちてくる。
「けど、鍋島達が藤原とか美寿々さんを
襲ったってことは……」
息苦しさに耐えられなくなったのか、
雅紀が早口で言う。
「ああ、まだ麻薬は見つかっていない。川奈
は自分の腹から麻薬を取り出すことには成功
していたんだ。そして、勝本病院に向かう前
にそれをどこかに隠した。鍋島達は今、後藤
田の指示でそれを必死に探している」
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あきら(プロフ) - 初めまして楽しく拝見してます。リクエスト募集中と云う事なので、私は山担なのでそれも赤さんを全力で守る青さんが大好きです。なので赤さんが弁護士で危険な案件に係わって、それを元刑事の青さんが助ける!サスペンスドラマ大好きなので、ハラハラドキドキしたいです (2021年9月23日 18時) (
レス) @page47 id: 0cb62e1ff0 (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - いちごさん» 嬉しすぎます！お気になさらず、ぜひ是非楽しんでいってください！ (2021年9月23日 17時) (レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - ありがとうございます。作品とても楽しくて夢中になって読ませて頂いていました。そそそそれなのに。本当にごめんなさい。 (2021年9月21日 20時) (レス) id: f705c60b1b (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - いちごさん» 全然大丈夫です！！評価ボタンを押そうとして頂いただけで幸せです👏🏻 (2021年9月21日 18時) (レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - 10を押そうとした時猫が来て手が滑りました。ごめんなさい。 (2021年9月21日 14時) (レス) id: f705c60b1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未翔
| 作成日時：2021年5月25日 21時
