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いったい川奈雄太はどこから金を手に入れ、
そして何をするつもりだったのだろうか？
「ごめんなさい、嫌なことを思い出させて」
雅紀が、声をかけると、
美寿々はゆっくりと立ち上がる。
「もう十分でしょ。家に帰って悟に夕飯
作ってあげないといけないのよ」
「……ええ、お時間とらせてごめんなさい」
雅紀が柔らかく微笑みながら言うと、
美寿々は逃げるように店を出た。
「……大変ですね、あの人」
閉まった扉を眺めながら櫻井が呟く。
雅紀はどこか哀しげな表情を浮かべながら
頷いた。
「しかし、川奈雄太はいったい何をしよう
としていたんですかね？やっぱり、なにか
非合法な仕事でもして、借金を返すつもり
だったとか……」
「そんな感じだよね。だから罪悪感で思い詰
めていたし、その仕事の前金で藤原への借金
を返すことができた」
雅紀は気怠げに指先で自分の毛先をいじる。
「けどそれだと、藤原に麻酔薬を頼んだこと
と、姿を消す直前に明るくなったことの理由
が分かりませんよね」
「そうなんだよねー」
雅紀は既に冷めているダージリンティーを
口に含んだ。
「どうしたんですか、雅紀さん。
なんか元気ないですけど」
櫻井が訊ねると、雅紀は少し弱々しいながら
も笑みを浮かべる。
「ああ、ごめんね翔ちゃん。いやあ、
産婦人科医って美寿々さんみたいに男に振り
回されて不幸になっている妊婦さんをよく見
るんだよね。そのたびに何かテンション落ち
ちゃってさ。妊娠と出産って女性にとって
最高に幸せな経験の一つなのに、ダメ男のせ
いでそれが台無しになっているのって悲しい
なぁって」
「たしかにそうですね……」
櫻井はつぶやきながら雅紀の横顔を眺める。
櫻井の視線に気付いたのか、
雅紀は皮肉っぽく口角を上げた。
「なに、人の顔をじーっと見ちゃって」
「いえ、なんでもありません」
櫻井は慌てて視線を逸らす。
「分かっているよ。それだけでここまで
テンション落ちるなんて変だって思っている
んでしょ。それで、俺が過去に何かあったん
じゃないかって思っている」
胸の内を正確に言い当てられ、櫻井は言葉に
詰まった。
「にのちゃんならともかく、俺にそんな
簡単に考えていることバレるなんて、
ちょっと単純すぎるよ。
あと、過去を詮索するのはダメ」
「……すみません」
櫻井は何も反論できず、素直に謝った。
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あきら(プロフ) - 初めまして楽しく拝見してます。リクエスト募集中と云う事なので、私は山担なのでそれも赤さんを全力で守る青さんが大好きです。なので赤さんが弁護士で危険な案件に係わって、それを元刑事の青さんが助ける!サスペンスドラマ大好きなので、ハラハラドキドキしたいです (2021年9月23日 18時) (
レス) @page47 id: 0cb62e1ff0 (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - いちごさん» 嬉しすぎます！お気になさらず、ぜひ是非楽しんでいってください！ (2021年9月23日 17時) (レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - ありがとうございます。作品とても楽しくて夢中になって読ませて頂いていました。そそそそれなのに。本当にごめんなさい。 (2021年9月21日 20時) (レス) id: f705c60b1b (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - いちごさん» 全然大丈夫です！！評価ボタンを押そうとして頂いただけで幸せです👏🏻 (2021年9月21日 18時) (レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - 10を押そうとした時猫が来て手が滑りました。ごめんなさい。 (2021年9月21日 14時) (レス) id: f705c60b1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未翔
| 作成日時：2021年5月25日 21時
