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「けどさ、これってどういう意味なんですか
ね？『思い出せ』って言われても、そもそも
潤くん以外、僕達は川奈雄太の顔なんて知ら
なかったわけでしょ」
安全を確認して部屋の隅から戻ってきた二宮
が、写真を覗き込む。
大野が「たしかにそうだな……」と
腕を組んだ。
写真に記された不可解なメッセージの意味を
読み取ろうと、みんな黙り込む。
そのとき、櫻井のつぶやきが沈黙を破った。
「……知っています。
俺はこの男を知っています」
「知っているって、翔ちゃんもニュースで
川奈雄太の顔を見ていたってこと？」
「いえ、俺はニュースは見ていませんし、
新聞も読んでいません」
雅紀の質問に櫻井は首を左右に振る。
勝本病院での事件後、ニュース、新聞、週刊
誌で吊し上げられてからというもの、それら
のものをほとんど見なくなっていた。
「それじゃあ、なんで川奈雄太の顔を
知っているの？」
「……わかりません。
ただこの『思い出せ』っていう言葉は、
間違いなく俺へのメッセージです」
写真の男を、川奈雄太を
なぜ知っているのか思い出すことが
出来なかった。
自分はなにか大切なことを忘れている、
とてつもなく大切なことを。
その確信がじりじりと精神を炙った。
両手で頭を抱える櫻井の肩がぽんっと
叩かれた。
振り返ると、いつの間にか二宮が
背後に立っていた。
二宮の楽しげな表情を見て、櫻井は
頬の筋肉を引きつらせる。
「こういう時こそあれだよ、催眠術。
全部僕に任せてみてくださいって」
一瞬「絶対嫌です！」という言葉が
口をつきかける。
しかし、舌先まで出たその言葉を必死に吞み
下すと、櫻井はおずおずと呟いた。
「……お願いします」
「えっ、マジ？」
自分から誘っておきながら、二宮は
目をしばたたかせる。
なんだよ、その反応は？
さらに不安になるじゃないか。
内心で文句をたれながら櫻井は頷いた。
「何か大切なことを忘れているんです！
ものすごく大切なことを。けれど、
どうしてもそれが思い出せないんです。
だから二宮先生、お願いします！」
櫻井は縋りつくように懇願する。
なぜこれほどまでに必死になっているのか、
自分自身でも分からなかった。
「いやぁ、そこまで頼られたら失敗するわけ
にはいきませんね。よしっ、僕が翔ちゃんの
脳の底から記憶を引き出してあげる」
二宮は軽くあごを引くと、
くぐもった笑い声を漏らし始めた。
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あきら(プロフ) - 初めまして楽しく拝見してます。リクエスト募集中と云う事なので、私は山担なのでそれも赤さんを全力で守る青さんが大好きです。なので赤さんが弁護士で危険な案件に係わって、それを元刑事の青さんが助ける!サスペンスドラマ大好きなので、ハラハラドキドキしたいです (2021年9月23日 18時) (
レス) @page47 id: 0cb62e1ff0 (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - いちごさん» 嬉しすぎます！お気になさらず、ぜひ是非楽しんでいってください！ (2021年9月23日 17時) (レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - ありがとうございます。作品とても楽しくて夢中になって読ませて頂いていました。そそそそれなのに。本当にごめんなさい。 (2021年9月21日 20時) (レス) id: f705c60b1b (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - いちごさん» 全然大丈夫です！！評価ボタンを押そうとして頂いただけで幸せです👏🏻 (2021年9月21日 18時) (レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - 10を押そうとした時猫が来て手が滑りました。ごめんなさい。 (2021年9月21日 14時) (レス) id: f705c60b1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未翔
| 作成日時：2021年5月25日 21時
