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「話戻るけどさ、予定がないならデートでも
しない？私も今日は暇なのよね」
「デートって……」
俺のこと振ったくせに……。
櫻井の唇がへの字に歪む。
「そんな顔しないでよ。思った以上に落ち込
んでいるから、ちょっと元気づけようと思っ
ただけだって。あ、そう言えばさ、片想いの
彼女とはどうなったの？進展あった？」
楽しげにまくし立てる聡子に圧倒されながら
櫻井は苦笑を浮かべる。
「進展も何も、全然だよ」
先日なんて奈美に惚気られる始末だ。
「そうなんだ。いやあ、若いって良いねえ」
「聡子さんと俺２歳しか違わないでしょ」
「そんな細かいことは良いじゃん。いいから
翔の恋愛事情について詳しく教えてよ。最近
時間はあるのに全然予定がないんだよね」
「大学病院の外科って、
物凄く忙しいんじゃないの？」
「私は乳腺外科が専門だから、それほどでも
ないよ。それに実は私も一昨日から１週間
夏休みだっありするんだよね」
「夏休み取ったんだから、
海外旅行でも行けばいいじゃん」
「いやよ、せっかくの休みになんでわざわざ
疲れることするわけ。私は休みはグダグダ過
ごすことに決めてるの……」
そのとき、ふと人混みの中を前方から髪を
茶色に染めた若い男が足早で近づいてきた。
避ける間もなく、男は櫻井の肩にたいあたり
でもするかのように体をぶつけてくる。
不意を突かれ軽くバランスを崩した櫻井に、
男は鋭い一瞥と舌打ちを投げつけた。
聡子が「ちょっと！」と声を荒らげるが、
男の姿はすぐに雑踏の中に溶けていく。
「翔、大丈夫？」
「ああ、大丈夫大丈夫」
櫻井は肩を擦りながら言う。
「ならいいんだけどさ。やっぱりこの辺り
ちょっと混みすぎだよね。とりあえず、
目黒辺りに出てお茶でも飲もうか」
聡子の提案に「そうだね」と答えかけた櫻井
は、右手に違和感を覚えて視線を落とす。
サマージャケットのポケットに見覚えのない
封筒が入っていた。
なんだこれ？さっきの男か？
櫻井は振り返るが男の姿を見つけることは
出来なかった。
首を捻りながら、櫻井は封筒を手に取る。
その瞬間、体が大きく震えた。
「翔？」
異変に気づいた聡子が訝しげに
声をかけてくる。
「ごめん聡子さん、ちょっと用事ができた」
櫻井は聡子にそう言うと、駅に向かって
人混みを掻き分けて進みはじめる。
「えっ？ちょっと翔？もう、なんなわけ」
背後から聡子の不満げな声が聞こえてきた。
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あきら(プロフ) - 初めまして楽しく拝見してます。リクエスト募集中と云う事なので、私は山担なのでそれも赤さんを全力で守る青さんが大好きです。なので赤さんが弁護士で危険な案件に係わって、それを元刑事の青さんが助ける!サスペンスドラマ大好きなので、ハラハラドキドキしたいです (2021年9月23日 18時) (
レス) @page47 id: 0cb62e1ff0 (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - いちごさん» 嬉しすぎます！お気になさらず、ぜひ是非楽しんでいってください！ (2021年9月23日 17時) (レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - ありがとうございます。作品とても楽しくて夢中になって読ませて頂いていました。そそそそれなのに。本当にごめんなさい。 (2021年9月21日 20時) (レス) id: f705c60b1b (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - いちごさん» 全然大丈夫です！！評価ボタンを押そうとして頂いただけで幸せです👏🏻 (2021年9月21日 18時) (レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - 10を押そうとした時猫が来て手が滑りました。ごめんなさい。 (2021年9月21日 14時) (レス) id: f705c60b1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未翔
| 作成日時：2021年5月25日 21時
