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美寿々は首をそらし天井に遠い目を向けるが
すぐにその表情を歪めた。
「けど、舌の根も乾かぬうちにあいつは
どこかに逃げて、私が借金を背負うはめに
なった。あいつが居なくなってすぐよ、
うちに嫌がらせが始まったのは。
最初は玄関前に血痕みたいなのが残ってた。
そのうち段々、嫌がらせはエスカレートして
いって……あいつが殺されたのを知ったとき
このままじゃ私と悟も危ないと思って、
こんなところに逃げることに……」
言葉を詰まらせる美寿々の前で、櫻井は
口元に力を込める。
どうやら美寿々も借金のせいで川奈雄太が
殺害されたと思っているらしい。
しかし、この事件は
そんなに単純なものではないはずだ。
「ねえ、姿を消す前の川奈雄太さんの様子を
教えてくれない？」
雅紀に、声をかけられて、美寿々は充血した
目を疑わしげに細める。
「……なんでそんなこと知りたいわけ？
そもそも、なんで医者が雄太のことなんて
調べているの？それに、どうやって私が
ここにいるって調べたわけ？」
至極当然の疑問を美寿々はぶつけてくる。
「ちょっと事情があって川奈雄太さんを
殺した犯人を捜しているんだ。あなたが
ここにいるっているのは、ちょっとした
テクニックを使ってね」
雅紀は適当極まりない回答わすると、
下手くそなウインクをする。
美寿々の視線に溶け込んだ不審の色は
どんどんと濃くなっていった。
「……まさか、あなた私達の居場所を
借金取りに教えたりしないわよね？」
低い声で訊ねる美寿々に向かって、
雅紀は胸の前で両手を振る。
「そんなことするわけないじゃない。
言ったでしょ、俺は川奈雄太さんを殺害した
犯人を捜しているだけ。もしそいつが逮捕さ
れれば、あなたも安心できるんじゃない？
少なくとも命を狙われるような危険は
なくなるんだから」
「……妊娠を伝えてから二、三週間は、
雄太は何か思い詰めて、苦しんでいる感じ
だった。『もうすぐ借金を全部返せる。
だから待っていてくれ』とか言ってたけど、
なにか凄く辛そうだった」
美寿々は弱々しい口調で話し始めた。
「けれど、姿を消す寸前に急に雄太は明るく
なったの。『これで胸を張ってお前と結婚
できる。子供の父親になれる』って、
それなのに……」
唇を噛む美寿々を櫻井は無言で眺める。
その時期は、川奈雄太がどこからか金を
手に入れ、藤原に借金を返して麻酔薬を
手に入れた時期と一致する。
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あきら(プロフ) - 初めまして楽しく拝見してます。リクエスト募集中と云う事なので、私は山担なのでそれも赤さんを全力で守る青さんが大好きです。なので赤さんが弁護士で危険な案件に係わって、それを元刑事の青さんが助ける!サスペンスドラマ大好きなので、ハラハラドキドキしたいです (2021年9月23日 18時) (
レス) @page47 id: 0cb62e1ff0 (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - いちごさん» 嬉しすぎます！お気になさらず、ぜひ是非楽しんでいってください！ (2021年9月23日 17時) (レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - ありがとうございます。作品とても楽しくて夢中になって読ませて頂いていました。そそそそれなのに。本当にごめんなさい。 (2021年9月21日 20時) (レス) id: f705c60b1b (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - いちごさん» 全然大丈夫です！！評価ボタンを押そうとして頂いただけで幸せです👏🏻 (2021年9月21日 18時) (レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - 10を押そうとした時猫が来て手が滑りました。ごめんなさい。 (2021年9月21日 14時) (レス) id: f705c60b1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未翔
| 作成日時：2021年5月25日 21時
