第２章−６− ページ21
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「出てきませんねえ……」
「そ、そうだね」
運転席でつぶやく奈美に、櫻井は
相槌を打つ。
フロントガラスの奥、数10メートル先には
雑居ビルがあり、その入り口に
『ランジェリーパブ バニー倶楽部』の文字
と、やけに胸の大きな少女の絵が描かれた
立て看板が立っている。
２日前、櫻井が大野達とともに潜入調査を
した店だった。
鍋島が店に来ているという情報を得てすぐに
櫻井は奈美とともにミニで店の前までやって
来て、そこで張り込みを行っていた。
午後から有名俳優の腹腔鏡下胆嚢摘出手術が
入っていたため、執刀する大野と助手を務め
る雅紀、麻酔をかける松本、そして落ち込ん
でいる松本の精神的なサポートを行う二宮は
手が離せなくなったため、
消去法で櫻井と奈美が鍋島を尾行し情報を
集めるという任務を請け負うことになっていた。
店の前に着いて30分ほどの時間が経っているが、まだ鍋島は出て来ていない。
そしてこの30分、櫻井はずっと息苦しさをおぼえていた。
原因は分かっている。
櫻井はチラリと横目で奈美に視線を向ける。
その目は不機嫌そうに細められている。
30分前路肩にミニを停めて、張り込みを
はじめてから、ずっとそんな調子で
睨み続けているのだ。
……店の看板に描かれた少女の絵を。
なんか機嫌悪いよな……。
櫻井が首をすくめながら視線を正面に戻した瞬間、奈美が「……櫻井さん」と低く籠もった声でつぶやいた。
「な、なに……？」
「櫻井さん、この前あのお店に行ったんですよね。……楽しかったですか？」
「た、楽しかったって……あれは情報を集めるために仕方なかったから……」
何と答えるのが正解なのか判断できず、櫻井は言葉を濁す。
「あのお店って、看板に描かれているみたいにスタイルの良い女の子がいっぱいいるんですよね？そういう人とイチャイチャして楽しかったですか？」
「いや、情報を聞き出すことにいっぱいっぱいで、楽しむとかそんな余裕は……」
セクシーな下着姿のホステスに囲まれ、実はそれなりに楽しかったのだが、そんなこと絶対に言えない。
櫻井の頭の中では、本能が危険信号を鳴らし続けていた。
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あきら(プロフ) - 初めまして楽しく拝見してます。リクエスト募集中と云う事なので、私は山担なのでそれも赤さんを全力で守る青さんが大好きです。なので赤さんが弁護士で危険な案件に係わって、それを元刑事の青さんが助ける!サスペンスドラマ大好きなので、ハラハラドキドキしたいです (2021年9月23日 18時) (
レス) @page47 id: 0cb62e1ff0 (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - いちごさん» 嬉しすぎます！お気になさらず、ぜひ是非楽しんでいってください！ (2021年9月23日 17時) (レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - ありがとうございます。作品とても楽しくて夢中になって読ませて頂いていました。そそそそれなのに。本当にごめんなさい。 (2021年9月21日 20時) (レス) id: f705c60b1b (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - いちごさん» 全然大丈夫です！！評価ボタンを押そうとして頂いただけで幸せです👏🏻 (2021年9月21日 18時) (レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - 10を押そうとした時猫が来て手が滑りました。ごめんなさい。 (2021年9月21日 14時) (レス) id: f705c60b1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未翔
| 作成日時：2021年5月25日 21時
