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「持ち込んだ密輸品を、後藤田に渡さないで
自分のものにしようとしたってことだね」
雅紀が確認すると、大野は頷く。
「ああ、そして後藤田たちは川奈を捕まえた
が、川奈は密輸品の場所を吐く前に命を落と
した。だから後藤田は隠し場所を知っている
かもしれない藤原や住吉美寿々を、鍋島達に
襲わせた」
大野は一息に話すと、大きく息を吐いた。
部屋に重い沈黙が落ちる。
「……けれど智さん。バラバラにされた遺体
が見つかってから、もう半年ぐらい経って
いるのよね。なんで今ごろ後藤田は藤原と
美寿々さんを襲ったの？それに、そこまでし
て取り返したい密輸品って？」
奈美がおずおずと沈黙をやぶった。
「なんで今になって動き出したかは分からな
い。密輸品は少なくともかなりの価値がある
ものだろうな。麻薬とか……」
大野は歯切れ悪くつぶやく。
「でもさ、密輸ってそんな簡単にできるもの
なの？川奈雄太はプロの運び屋ってわけじゃ
ないでしょ。素人に高価なものの密輸を任せ
たりするかな？」
雅紀の最もな指摘に、
再び部屋の中に沈黙が降りる。
事件の真相に近づきつつある実感はあるもの
の、その輪郭は未だにはっきりしない。
そのとき、室内に低音でベートーヴェンの
『運命』のメロディーが流れた。
全員の視線がその不吉な旋律が聞こえてきた
方向を向く。
松本がのそのそとポケットから
スマートフォンを取り出していた。
どうやら着信音だったらしい。
俯いたままスマートフォンを眺めた松本は
気怠そうに隣の二宮に液晶画面を見せる。
二宮の目が大きくなった。
「大野さん、大変。鍋島が現れたって！」
二宮は甲高い声で言う。
「鍋島が⁈どこにだ？」
大野はカウンター席から腰を浮かした。
「この前に大野さん達が潜入した
ランジェリーパブだよ。潤くんがあそこの
ホステスと連絡先交換して、もし鍋島がまた
現れたら連絡するようにお願いしといたんだ
ってさ」
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あきら(プロフ) - 初めまして楽しく拝見してます。リクエスト募集中と云う事なので、私は山担なのでそれも赤さんを全力で守る青さんが大好きです。なので赤さんが弁護士で危険な案件に係わって、それを元刑事の青さんが助ける!サスペンスドラマ大好きなので、ハラハラドキドキしたいです (2021年9月23日 18時) (
レス) @page47 id: 0cb62e1ff0 (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - いちごさん» 嬉しすぎます！お気になさらず、ぜひ是非楽しんでいってください！ (2021年9月23日 17時) (レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - ありがとうございます。作品とても楽しくて夢中になって読ませて頂いていました。そそそそれなのに。本当にごめんなさい。 (2021年9月21日 20時) (レス) id: f705c60b1b (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - いちごさん» 全然大丈夫です！！評価ボタンを押そうとして頂いただけで幸せです👏🏻 (2021年9月21日 18時) (レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
いちご(プロフ) - 10を押そうとした時猫が来て手が滑りました。ごめんなさい。 (2021年9月21日 14時) (レス) id: f705c60b1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未翔
| 作成日時：2021年5月25日 21時
