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「調べたところ、彼女は５年以上前に
亡くなっていました。
卵巣癌だったそうです。
私の前から姿を消してから、かなり
苦労しながらも女手一つで子供を
育てていたということでした。そして、
彼女が産んだ子供が男の子、
息子だったことも分かりました」
「その息子さんについて、
なにか私に相談したいことがある
ということですね？」
大野が確認すると、
小笠原の手が布団を強く掴んだ。
「……私は全力で
息子の行方を調べさせました。
息子と認知することは出来なくても
私が持っている財産の一部ぐらいなら
渡したい。そう思ったんです」
「見つかりましたか？」
「なかなか見つかりませんでした。
……先週まで」
「先週、なにがあったんですか？」
「……数ヶ月前に足立区の公園で
切断された腕が見つかった事件は
ご存じですか」
唐突に小笠原は話を変える。
櫻井の胸の中で心臓が
大きく跳ねた。
「……知っています」
大野は頷く。
「先週、警察がその身元を発表しました。
……川奈雄太という男です」
小笠原は目を固く閉じ、
歯を食いしばった。
「その川奈雄太という男こそ、
私が行方を捜していた男。
……私の息子です」
食いしばった歯の隙間から
漏れだした苦悩にまみれた告白。
それを聞いて、
櫻井は息を呑んだ。
二宮、松本、相葉、奈美も
驚きの表情を浮かべている。
しかし、大野だけはほとんど
顔の筋肉を動かすことがなかった。
「……状況は分かりました。
それで、私をお呼びになったのは
なぜでしょうか？」
大野はゆっくりとした口調で訊ねる。
小笠原は目を開くと大野を見つめた。
「先生方に、息子を殺した犯人を
見つけ出して欲しいんです！」
犯人を見つけて欲しい？
かすれた声を張り上げる小笠原を前に
櫻井は耳を疑う。
「殺人事件の捜査は警察の仕事です。
日本の警察は優秀です。
私達などを頼らずとも、警察が
犯人を捕まえてくれると思いますが」
大野は諭すように言った。
「私には時間がないんだ！」
蒼白だった小笠原の顔に赤みがさす。
「私も警察に知り合いぐらいいる。
捜査が進んでいないっていう情報も
入ってきているんだ！このままじゃあ、
私の生きているうちに息子を殺した
犯人を捕まえるなんて出来るわけがない！」
「つまり、私達に警察より早く犯人を
見つけ出して、罰を受けさせて欲しいと？」
小笠原は息を乱しながら、
顎を引いて頷いた。
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未翔(プロフ) - あきさん» 読んで頂いてありがとうございます！ここから更に急展開ですのでお見逃し無く！！ (2021年5月25日 22時) (
レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - shioribaron0307さん» ありがとうございます！ (2021年5月25日 22時) (レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - うわぁ〜急展開！！ワクワクしますね。続きを楽しみにしてます。 (2021年5月25日 15時) (レス) id: de45e6159d (このIDを非表示/違反報告)
shioribaron0307(プロフ) - お話面白かったです。続き楽しみにしています！ (2021年5月22日 14時) (レス) id: 7628593eb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未翔
| 作成日時：2021年5月15日 12時
