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「え、あの、
実技試験ってどういうことですか？」
櫻井は不安をおぼえ聞き返す。
「これから、君の外科医としての技量を
見せてもらうってことだよ。普段、
第一助手は雅紀が担当するんだけど、
今日は君にやってもらう。うちでやって
いけるだけの腕があるか見るためにね」
大野はにやりとニヒルな笑みを浮かべた。
「俺が手術に入るんですか?!」
予想外の展開に声が上ずる。
「なにか問題があるのかな？
例えば……酒が入っているとか」
大野の目つきがするどくなる。
「……酒は飲んでいません。この数ヶ月」
櫻井は硬い声で答えた。
あの日から、
酒のせいで患者を死なせてしまった
かもしれないあの日から、
櫻井は一滴も
アルコールを口にしていなかった。
「なら問題ないな」
大野は部屋の中心に進んでいく。
相葉が「頑張ってね」と、
櫻井の背中を叩いた。
櫻井は小さく頷きながら、
大野のあとを追う。
手術台に横たわっている男は
既に全身麻酔が導入されていた。
口には気管内チューブが挿し込まれ、
麻酔器によって人工呼吸管理がされている。
体には上腹部に大きな穴が開いた
滅菌シートが被せられ、
いつでも執刀できる状態になっていた。
「麻酔をかけているのは松本潤だ。
本来は内科医だけど、うちは人手不足だから
手術の時にはこうやって麻酔を担当して
もらっている」
大野は麻酔器のわきに立つ細身の男を指す。
顔の下半分を覆うマスクと、
野暮ったらしく伸びた前髪、
そして黒縁メガネのせいで、
男の顔はよく見えなかった。
「あの、はじめまして。櫻井翔といいます」
挨拶をしても、松本という男は
俯いたまま、前髪の間から
ちらりと視線を送っただけだった。
その態度に櫻井は戸惑う。
「気にしないでね。
潤ちゃんはいつもこんな感じだから。
俺と一緒で人見知りなんだよ」
明るい声で雅紀がフォローを入れてくる。
「……人見知りだけじゃない。
僕は抑うつ状態が酷くて、
他人とできるだけ接触したくないだけだ。
間違った情報を広めないでくれ」
松本は耳を澄まさなければ聞き取れないほど
小さな声で、ぼそぼそと呟く。
「はいはい。相変わらず細かいなぁ」
雅紀はわざとらしくため息を吐いた。
なんなんだ、ここのスタッフ達は？
全員、キャラクターが濃すぎる。
櫻井が居心地の悪さを感じていると、
大野が手術台に横たわっている男の
頭側に回り込み口を開いた。
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未翔(プロフ) - あきさん» 読んで頂いてありがとうございます！ここから更に急展開ですのでお見逃し無く！！ (2021年5月25日 22時) (
レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
未翔(プロフ) - shioribaron0307さん» ありがとうございます！ (2021年5月25日 22時) (レス) id: b3cb87418b (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - うわぁ〜急展開！！ワクワクしますね。続きを楽しみにしてます。 (2021年5月25日 15時) (レス) id: de45e6159d (このIDを非表示/違反報告)
shioribaron0307(プロフ) - お話面白かったです。続き楽しみにしています！ (2021年5月22日 14時) (レス) id: 7628593eb6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：未翔
| 作成日時：2021年5月15日 12時
